
- 小規模企業共済って、フリーランスでも入れるの?
- 節税になるって聞いたけど、実際どれくらい得なの?
- デメリットや注意点も知ったうえで判断したい
掛金の全額が所得控除になり、積み立てたお金は将来の退職金として受け取れます。
僕はフリーランスエンジニアとして独立した翌年に加入しました。
正直なところ、最初は「よくわからない制度にお金を入れるのは不安」でした。でも調べるほど「入らない理由がない」と感じて加入を決め、実際に3年以上続けた今、加入して正解だったと確信しています。
本記事では、加入資格の条件から節税効果のシミュレーション、見落としがちなデメリットまで、加入前に知っておくべきことをすべてまとめました。
貸付制度の詳しい活用方法については、以下の記事で解説しています。
Contents
小規模企業共済とは|フリーランスの「退職金制度」
小規模企業共済は、中小企業基盤整備機構(中小機構)が運営する個人事業主・小規模企業の経営者向けの退職金制度です。加入者数は約159万人(2022年3月時点)で、多くの事業者に利用されています。
会社員には厚生年金や企業年金がありますが、フリーランスにはそうした制度がありません。小規模企業共済に加入することで、毎月の積み立てが将来の退職金になり、同時に節税もできるという仕組みです。
- 掛金:月額1,000円〜70,000円(500円単位で自由に設定)
- 納付方法:口座振替(月払い・半年払い・年払い)
- 受取:事業廃止・退職時に退職金として受け取り
- 運営:中小企業基盤整備機構(国の中小企業政策の中核機関)
僕がこの制度を知ったのは、フリーランス1年目の確定申告の準備中でした。「フリーランス 節税」で調べていて出てきたのがきっかけです。銀行に預けるだけでは増えないし、かといってiDeCoは60歳まで引き出せない。その点、小規模企業共済は貸付制度で必要なときに資金を借りられるという柔軟さがあり、加入を決めました。
加入資格|フリーランスは基本的に加入できる
加入できるのは、個人事業主(フリーランス含む)と小規模企業の役員です。
フリーランスエンジニアやデザイナーなど、開業届を出して事業を営んでいれば基本的に加入できます。ただし、いくつか条件があります。
従業員数の制限
業種によって従業員数の上限が決まっています。
| 業種 | 従業員数の上限 |
|---|---|
| 建設業・製造業・運輸業・不動産業・農業など | 20人以下 |
| 商業(卸売・小売)・サービス業 | 5人以下 |
ここで言う「従業員」は正社員のことで、パート・アルバイト・家族従業員は含まれません。また、従業員数は加入時点で判断されるため、加入後に事業規模が大きくなっても資格は失われません。
加入できないケース
以下に該当する場合は加入できません。
- 開業届を出していない(事業の実態がない)
- サラリーマンの副業(本業が給与所得の場合)
- 従業員数が業種の上限を超えている
副業としてアパート経営をしているサラリーマンなども加入対象外です。詳しくは中小機構の公式ページで確認できます。
メリット|節税・退職金・貸付の三拍子
掛金の全額が所得控除になる
最大のメリットは節税効果です。掛金の全額が「小規模企業共済等掛金控除」として所得から差し引かれます。
所得税率20% + 住民税率10% = 合計30%
年間36万円 × 30% = 年間約10.8万円の節税
つまり、年間36万円を将来の退職金として預けているだけで、約10万円以上の税金が安くなる計算です。銀行預金では絶対に得られない効果です。
僕の場合、最初は月1万円からスタートし、収入が安定してきた2年目以降に段階的に増額しました。「まずは少額で始めて、慣れたら上げる」のが無理のない進め方です。
将来の退職金になる
積み立てた掛金は、事業を廃止したときに退職金(共済金)として受け取れます。退職所得控除が適用されるため、受取時の税負担も軽くなります。
僕自身、フリーランスから会社員に転職した際、共済金を受け取る権利がありましたが、将来また独立する可能性も考えて継続を選びました。このように、状況に応じて「受け取る」「続ける」を選べるのも柔軟な制度です。
貸付制度で資金調達ができる
積み立てた掛金の7〜9割を、年1.5%の低金利で借りられる貸付制度があります。用途の制限がなく、担保・保証人も不要です。
僕も実際に一般貸付で30万円を借りた経験があります。予定納税の支払いが重なった時期に活用しました。
貸付制度の条件・限度額の計算・必要書類については、こちらの記事で詳しくまとめています。
貸付制度のメリットや「使うべきかどうか」の判断基準はこちらで解説しています。
掛金はいつでも変更できる
掛金は月額1,000円〜70,000円の範囲で、いつでも増額・減額が可能です。手続きは郵送またはオンラインで完了します。
収入が減った月は1,000円に下げ、余裕がある月は増額する。こうした柔軟な運用ができるのは、iDeCoにはない大きなメリットです。
デメリット|加入前に必ず確認すべき3つの注意点
20年未満の解約は元本割れする
最大のデメリットは、加入から20年未満で「任意解約」すると元本割れすることです。
掛金合計60万円に対し、解約手当金は約50万円。約10万円のマイナスになります。
ただし、これは「任意解約」の場合です。事業廃止(廃業届の提出)であれば20年未満でも元本割れしません。フリーランスをやめて会社員になる場合も、廃業届を出せば「共済金B」として受け取れます。
僕もこの点が一番気になりましたが、「廃業時は元本割れしない」と知って安心して加入できました。
積み立てたお金は原則引き出せない
掛金は解約するまで引き出せません。急に現金が必要になっても、積み立てた分をそのまま使うことはできない仕組みです。
ただし、前述の貸付制度を使えば、積み立てた掛金の範囲内で資金調達は可能です。「完全にロックされるわけではない」という点は覚えておきましょう。
掛金の減額には注意が必要
掛金を減額した場合、減額部分の積み立ては運用されなくなります。つまり、減額前に積み立てた分と減額後に積み立てた分で、受取額の計算が分かれます。
頻繁な減額は避け、最初から無理のない金額で始めるのが賢い選択です。
加入手続きの方法|窓口とオンラインの2択
加入手続きには「窓口」と「オンライン」の2つの方法があります。
窓口での手続き
商工中金や地方銀行などの委託金融機関で手続きできます。
オンラインでの手続き
共済制度オンラインから、自宅で手続きを完了できます。確定申告書の控えなど、必要書類のアップロードが必要です。
必要なもの
- 確定申告書の控え(または開業届の控え)
- 本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)
- 口座情報(掛金の引き落とし口座)
- 印鑑(窓口手続きの場合)
まとめ|フリーランスなら早めの加入がおすすめ
小規模企業共済は、フリーランスにとって「節税」「退職金」「緊急時の資金調達」を同時に実現できる数少ない制度です。
- 加入資格:開業届を出しているフリーランスなら基本的にOK
- 節税効果:掛金の全額が所得控除。月3万円で年間約10万円の節税
- 退職金:廃業時に積み立てた掛金を退職金として受け取れる
- 注意点:20年未満の任意解約は元本割れ。ただし廃業時は元本割れなし
- 掛金:月1,000円から始められる。いつでも増減額OK
僕自身、月1万円からのスタートでしたが、節税効果を実感してからは段階的に増額しました。「まずは少額から始める」だけで、やらない場合との差は年々大きくなります。
貸付制度の活用方法や実際の借入体験については、以下の記事で詳しくまとめています。
確定申告時の経費計上と合わせて節税効果を最大化するなら、会計ソフトの導入も検討してみてください。





