【経費率15%公開】フリーランスエンジニアの経費が少ない理由と節税の工夫

お金・税金・社会保険(手取り設計)
  • フリーランスエンジニアの経費率ってどれくらいが普通?
  • 他の業種と比べて経費が少ない気がするけど大丈夫?
  • 経費が少ないなら、他にできる節税はないの?
結論:フリーランスエンジニアの経費率は10〜30%が一般的で、他業種より低いのは「構造上の当然」です
経費が少ないこと自体は問題ではありません。大事なのは「計上できるものを漏れなく計上しているか」です。

僕はフリーランスエンジニアとして数年間、自分で確定申告をしてきました。

最初の年、確定申告書の経費欄を見て「これだけ?」と不安になったのを覚えています。飲食店やコンサルタントの知り合いと比べると、明らかに経費が少ない。「自分だけ損しているのでは」と焦りました。

でも調べてわかったのは、エンジニアの経費率が低いのは構造的に当然だということ。そして、経費を無理に増やすよりも、計上漏れをなくすことと、経費以外の節税制度を使うことの方がはるかに効果的でした。

本記事では、経費率の目安と「少ない」理由、僕自身の経費内訳、そして見落としがちな経費と節税の工夫をすべて公開します。

フリーランスエンジニアの経費率は「少なくて当然」

経費率の目安は10〜30%

経費率とは、売上に対する経費の割合のことです。

経費率(%)= 年間の経費合計 ÷ 年間の売上 × 100

フリーランスエンジニアの経費率は、一般的に10〜30%程度です。業種別に比較すると、かなり低い部類に入ります。

業種 経費率の目安
飲食業 60〜70%
小売業 50〜65%
デザイナー・ライター 20〜40%
ITエンジニア 10〜30%

経費率が低い理由

エンジニアの経費が少ない理由は明確です。

  • 仕入れがない — 物を売る商売ではないので、原価が発生しない
  • オフィスが不要 — 自宅やリモートで仕事が完結する
  • 必要な設備が少ない — PCとネット環境があれば仕事ができる
  • 一人で完結する — 外注費や人件費がかからない

つまり、経費が少ないのは「効率の良いビジネスモデル」の裏返しです。利益率が高いということなので、むしろ健全な状態と言えます。

経費率が低くても税務上は問題ない

「経費率が低いと税務署に怪しまれるのでは?」と心配する声もありますが、経費率が低いこと自体が問題になることはありません

税務署が注目するのは「不自然に高い経費率」の方です。経費率が60%を超えるような場合は、架空経費や私的利用の混入を疑われるリスクがあります。

大事なのは経費率の数字ではなく、「計上している経費が正当で、根拠が残っているか」です。

【公開】僕の経費率と内訳

※以下は筆者の実際の確定申告データをベースにしています。具体的な金額は参考値としてご覧ください。

年間の経費内訳(勘定科目別)

勘定科目 主な内容 年間金額(目安)
地代家賃 自宅家賃の按分(30%) 約50万円
通信費 インターネット・スマホ・SaaS利用料 約10万円
水道光熱費 電気代の按分 約2.5万円
消耗品費 PC周辺機器・備品 約5万円
新聞図書費 技術書・ビジネス書、AIツールなど 約5万円
支払手数料 会計ソフト利用料 約2.5万円
旅費交通費 打ち合わせの移動費 約10万円
雑費 カフェ作業費など 約3万円
合計 約90万円

僕の経費率は約15%|エンジニアとしてはごく普通

僕の場合、年間の経費率は約15%です。フリーランスエンジニアの目安(10〜30%)の範囲内で、ごく標準的な数字です。

内訳を見ると、最も大きいのは家賃の按分で、経費全体の約半分を占めています。次に通信費(インターネット・SaaS利用料)が続きます。

正直なところ、エンジニアの経費は「家賃の按分」と「通信費」でほぼ決まります。それ以外の項目は一つひとつが小さいですが、積み重ねると年間で数万円〜十数万円の差になるので、見落とさないことが大切です。

初めて確定申告したときは経費率の低さに不安を覚えましたが、今では「エンジニアはこれが普通」と理解しています。経費率を無理に上げようとするより、漏れなく正しく計上することに集中した方がよほど効果的です。

経費率を適正に上げる5つの見直しポイント

「少ないのは普通」とはいえ、計上できるのに見落としている経費がないかは確認する価値があります。以下の5つは、僕自身が最初の年に計上し忘れていた項目です。

① 家事按分を正しく設定しているか

自宅で仕事をしているのに、家賃や電気代の按分をしていない人は意外と多いです。

見直しの目安
  • 家賃:仕事部屋の面積割合(10〜25%程度)
  • 電気代:業務時間の割合(20〜40%程度)
  • インターネット:業務使用割合(70〜80%程度)

按分するだけで年間20〜30万円の経費が増えるケースもあります。計算方法や設定の注意点は、以下の記事で詳しく解説しています。

フリーランスの経費計上|自宅オフィスの按分計算と税務調査に備える実践テクニック

② SaaS・AIツールの計上漏れがないか

GitHub・AWS・ChatGPT・Adobe・Notion・Slack・Zoomなど、月額で利用しているサービスをすべて計上しているか確認しましょう。

一つひとつは月額数百円〜数千円でも、年間に換算すると10万円以上になることも珍しくありません。クレジットカード明細を見直すと、計上忘れのサブスクが見つかることがあります。

③ 技術書・セミナー費を計上しているか

プログラミングの技術書、Udemyなどのオンライン講座、技術カンファレンスの参加費は「研修費」として経費にできます。

エンジニアはスキルアップへの投資が欠かせない職種です。学習にかけたお金は積極的に経費計上しましょう。

④ ブログ・ポートフォリオの運用費

レンタルサーバー代、ドメイン代、有料テーマ、ブログで使う画像素材の費用も経費にできます。技術発信や営業活動の一環として認められます。

僕の場合、ブログ運営にかかる費用を「通信費」と「広告宣伝費」に分けて計上しています。

⑤ 資格試験の受験料(不合格でもOK)

AWS認定、Google Cloud認定などのIT資格の受験料は「研修費」です。意外と知られていませんが、不合格でも経費として計上できます。対策講座の受講料も同様です。

経費にできるもの・できないものの全体像は、こちらの一覧記事で整理しています。

【一覧表あり】フリーランスエンジニアの経費|使えるもの・使えないものを整理

経費以外の節税で「手取り」を最大化する

フリーランスエンジニアは経費率が低い分、経費以外の節税制度をフル活用することが手取りを最大化するカギになります。

小規模企業共済(年間最大84万円控除)

掛金の全額が所得控除になる、フリーランスの「退職金制度」です。月額1,000円〜70,000円で、いつでも増減額可能。積み立てた掛金の範囲内で低金利(年1.5%)の貸付も受けられます。

僕も加入しており、節税効果と将来の退職金の両方を実感しています。

【フリーランス向け】小規模企業共済とは?加入資格・節税効果・デメリットまで解説

その他の節税制度

制度 控除額 ポイント
青色申告特別控除 最大65万円 会計ソフト+e-Taxで自動クリア
iDeCo 最大81.6万円 老後資金の準備と節税を同時に
ふるさと納税 寄付額−2,000円 返礼品をもらいつつ住民税を軽減

これらの制度を組み合わせると、経費計上と合わせて年間100万円以上の所得控除も現実的です。

節税制度の全体像については、こちらの記事でまとめています。

【フリーランスの節税対策まとめ】確定申告で税金を最小限に抑える実践テクニック

経費管理を効率化する会計ソフトの比較はこちら。

【3年使った結論】フリーランスエンジニア向け会計ソフト3選|比較と選び方

まとめ|経費率より「正しく計上しているか」が大切

フリーランスエンジニアの経費率は10〜30%が一般的で、他業種より低いのは構造上の当然です。

  • 経費率が低い ≠ 損している。エンジニアは利益率が高いビジネスモデル
  • 経費を無理に増やす必要はない。計上できるものを漏れなく拾うことが大事
  • 見落としがちな項目:家事按分・SaaS利用料・技術書・資格試験・ブログ運営費
  • 経費以外の節税制度をフル活用:小規模企業共済・iDeCo・ふるさと納税・青色申告

経費率の数字に一喜一憂するより、「計上漏れをなくす」+「経費以外の制度を使う」の2つに集中する方が、手取りは確実に増えます。

まずは自分の経費内訳を見直すところから始めてみてください。