
- パソコンやソフトは経費で落ちると思うけど、カフェ代や家賃はどうなの?
- 税務署に突っ込まれたらどうしようと不安になる
- 経費にできるものを知らなくて、結果的に税金を多く払ってしまった気がする
「これって経費になるの?」と、毎年確定申告のたびに悩んでいませんか?
こうした不安や疑問を放置すると、税金を払いすぎたり、申告ミスで後々トラブルになる可能性があります。
筆者はフリーランスエンジニアとして会計ソフトを使い、自ら調べながら確定申告を数年継続中です。今のところ税務調査の指摘もなく、問題のない経費管理を実践しています。
本記事では、フリーランスエンジニアが実際に経費にできるもの・できないものを一覧で整理します。節税の基本やよくある失敗例、グレーゾーンの扱い方まで解説します。
この記事を読むことで、確定申告時の経費に対する不安がなくなり、安心して申告できる状態になります。
経費を正しく把握し活用することで、合法的に節税し、自由度の高い働き方を守ることができます。
Contents
フリーランスの経費とは?基本を正しく理解しよう
経費の定義「事業に必要な支出」とは
経費とは、「所得を得るために必要な支出」です。
フリーランスエンジニアの場合、自分の事業に直接関連する出費は経費として認められます。
例えば、開発用のパソコンや業務で使う通信費などが該当します。
重要なのは「プライベートの支出と区別がついていること」です。
個人の楽しみや生活費と混ざってしまうと、経費として認められにくくなるので注意しましょう。
経費にできるかどうかの判断基準
経費として認められるかどうかは、次の3つのポイントで判断できます。
- 仕事に必要な支出であるか
- 支出の内容が証明できるか(領収書など)
- 私的利用との線引きが明確か(家事按分の考え方)
この3点を意識することで、税務署に突っ込まれるリスクを減らせます。
迷ったときは「誰かに説明して納得してもらえるか?」を基準に考えましょう。
フリーランスエンジニアがよく使う経費まとめ
フリーランス全般が使える経費をより網羅的に知りたい場合は、こちらの記事で、より幅広い経費リストを解説しています。
併せて参考にしてください。
パソコン・ディスプレイ・周辺機器などのガジェット類
フリーランスエンジニアにとって、パソコンやディスプレイは業務に欠かせません。
これらの購入費用はもちろん経費に計上可能です。
加えて、マウス・キーボード・Webカメラ・マイク・スタンドなどの周辺機器も対象になります。
使用目的が業務であることが明確なら、すべて経費として扱えます。
ソフトウェア・SaaSサービスの月額利用料
開発ツールやデザインソフト、タスク管理やチャットツールの利用料も経費にできます。
- Visual Studioプロ版やGitHub(有料プラン)などの開発支援ツール
- Adobe製品(Adobe PhotoshopやIllustrator)などのデザイン系ソフト
- ChatGPTのAIツールやNotion(多機能ドキュメントツール)などの業務ツール
業務効率を高めるために導入している場合は、積極的に経費化しましょう。
書籍・技術系参考書・オンライン講座の受講料
技術書やビジネス書、Udemyなどのオンライン講座も、スキルアップのための支出として経費になります。
ただし、趣味や興味で購入した書籍は対象外です。
購入理由が業務向上であることを説明できるようにしておきましょう。
コワーキングスペース・カフェ利用費用
自宅以外の場所で作業した際の利用費用を経費にすることができます。
コワーキングスペースの月額利用料も、業務目的であればOKです。
また、打ち合わせ目的や集中作業のためのカフェ利用も、記録を残しておけば対象となります。
開発や運用にかかるサーバー代・ドメイン費用
自社サービスやポートフォリオサイト、ブログを運用している場合は、サーバー代やドメイン代も事業に必要な支出として経費計上できます。
これらは「情報発信」「集客」「ブランディング」などの目的が明確であればOKです。
打ち合わせ・移動にかかる交通費・飲食費
クライアントとの打ち合わせや商談のための交通費は、当然ながら経費となります。
また、仕事上の会食費も「接待交際費」として経費にできますが、使いすぎには注意です。
領収書に相手の会社名・人数・目的などをメモしておくと信頼性が高まります。
経費にできるその他の支出|忘れがちな項目もチェック
通信費・電気代などの水道光熱費(家事按分)
自宅で作業している場合、自宅のインターネットや電気代の一部を経費として計上できます。
「家事按分」と言われ、業務に使っている比率を算出してその分だけ経費にする形です。
例えば、使用面積や時間割合をもとに按分率を決めます。
家賃・オフィス利用料の按分方法
自宅兼仕事場としている場合の家賃も按分して一部を経費にできます。
ただし、面積や時間による利用状況が明確であることが重要です。
8万円 × 25% = 2万円を経費に計上できます。
名刺作成・Webサイト制作費用
名刺の印刷費用、ポートフォリオサイトや営業用Webサイトの制作費も経費にできます。
自己ブランディングや営業活動に必要な支出として認められるからです。
フリーランスエンジニアにとって、第一印象を左右する重要な投資でもあります。
税理士・会計ソフトの利用料金
税理士に依頼している場合の費用はもちろん、会計ソフトの使用料も経費に含まれます。
freee
やマネーフォワードクラウド
などの月額利用料も忘れずに経費として処理しましょう。
経費にならないもの・グレーゾーンに注意
生活費との区別がつきにくい支出
仕事でも使っているけれど、プライベートでも使うものは判断が難しくなります。
例えば、スマホや自家用車などは按分するか、経費にしないという選択も必要です。
税務署に否認されやすい経費の例
以下のような支出は、経費として否認されることがあります。
- 家族との外食代
- 趣味で買ったガジェットや書籍
- 明確な使用目的のないサブスクやサービス
支出に対する「説明責任」を果たせるかが大事です。
グレーな支出はどう対応すべきか?
判断が難しいときは、経費計上しても「メモを残す」「証拠を保管する」ことが重要です。
また、確実性を求めるなら計上を避けるのも一つの判断です。
グレーな支出を過剰に計上すると、税務署のチェック対象になる可能性があります。
経費管理のコツと注意点|確定申告で困らないために
領収書・レシートの保管と保存期間
原則として、領収書やレシートは7年間の保存義務があります(青色申告の場合)。
紙でもデジタルでも構いませんが、内容・日付・金額が明確である必要があります。
クラウド会計ソフトと連携してスキャン保存すると便利です。
家事按分の具体例と計算方法
家事按分の考え方は、面積や使用時間が基準になります。
按分率:8時間 ÷ 24時間(1日) × 100 ≒ 33%
計算式や記録を残しておくと、税務署にも説明しやすくなります。
経費にできるか迷ったときの判断フローチャート
以下の順で考えると判断しやすくなります。
- 業務に必要か?(Yes/No)
- プライベート利用と分けられるか?
- 証拠が残っているか?
- 他人に説明して納得してもらえるか?
すべてに「Yes」と答えられたら、経費として計上しても問題ないでしょう。
おすすめの経費管理ツール・アプリ
以下のようなツールを活用することで、経費管理の手間を大きく減らせます。
- マネーフォワードクラウド
:自動仕訳が優秀 - freee
:UIがシンプルで初心者にもおすすめ
Receipt POST:レシート撮影で簡単に登録できる
クラウド会計ソフトとスマホアプリを組み合わせるのが現代のベストプラクティスです。
フリーランスエンジニアが経費を活用すべき理由
節税だけじゃない!経費は“攻めの投資”にもなる
経費は単なる節税手段ではなく、自己投資の原資にもなります。
たとえば、以下のような支出は、経費にできる上に、将来的なリターンを生む可能性が高いです。
- 新しい開発言語を学ぶためのオンライン講座受講
- 業務効率化のためのツール導入(例:AI系SaaS)
- 高品質な作業環境を整えるためのPC・モニター購入
こうした投資は、クライアント満足度の向上や、単価アップ、リピート案件の獲得にもつながります。
「節税しながらスキルアップできる」というのは、経費をうまく活用する人の共通点です。
収入が不安定でも「防御力」を高められる
フリーランスエンジニアの大きな悩みは、収入の波があることです。
経費管理をしっかりしておくと、以下のような防御力を持つことができます。
- 無駄な税金をカットして、手取りを最大化
- 必要な支出と不要な支出を区別することで、家計管理にも好影響
- 税務上の根拠を残しておくことで、将来の税務調査にも備えられる
経費の正しい扱い方は、攻めだけでなく守りの面でも大きな武器になります。
経費の活用次第で、働き方そのものが自由になる
経費の考え方を身につけると、仕事の選び方や働き方にも変化が現れます。
たとえば
- 打ち合わせを兼ねて地方出張 → 交通費・宿泊費が経費に
- セミナーやコミュニティイベントに参加 → 学習費+交際費が経費に
- ブログや情報発信を強化 → サーバー代や取材費が経費に
こうした行動は、自分の働き方の幅を広げる「投資」であり、経費として落とせるなら大きな後押しになります。
「経費にできるならやってみよう」という思考は、フリーランスにとっての自由度を高めるカギになります。
経費以外の節税方法も知りたい人は、こちらの記事で、控除や制度を活用した対策も紹介しています。
手取りを最大化したい人は参考にしてみてください。
まとめ|経費を正しく理解して、確定申告を味方につけよう
フリーランスエンジニアにとって、経費を正しく理解し活用することは、節税だけでなく、事業の成長や働き方の自由度にも直結します。
経費になるもの・ならないものの判断基準を押さえ、家事按分や領収書管理、経費管理ツールなどを活用すれば、確定申告もスムーズに進められます。
経費は「節約」ではなく、「未来への投資」として使うことで、自己成長や仕事の幅を広げる強力な武器になります。
この記事を参考に、今日から自分の支出を見直し、税金に強いフリーランスエンジニアを目指しましょう。



