【一覧表】フリーランスエンジニアが経費にできるもの・できないもの|勘定科目つき

お金・税金・社会保険(手取り設計)
  • パソコンやソフトは経費にできるけど、カフェ代や家賃はどうなの?
  • 経費にできるものを知らなくて、税金を多く払ってしまった気がする
  • 税務署に指摘されるのが怖くて、計上を控えてしまっている
結論:フリーランスエンジニアの経費は「仕事に必要な支出」であれば幅広く認められます。
判断基準はシンプルで、「事業に必要か」「証拠があるか」「私的利用と区別できるか」の3点です。

僕はフリーランスエンジニアとして確定申告を数年続けてきましたが、最初の年は「これ経費にしていいの?」と迷うことだらけでした。

結果的に計上できるものを見逃して、税金を余分に払っていたことに後から気づいたこともあります。

本記事では、フリーランスエンジニアが経費にできるもの・できないものを一覧表形式で整理しました。「迷ったらこの記事を見れば判断できる」という辞書的な使い方をしてもらえれば嬉しいです。

僕個人の経費が気になる方は、こちらの記事で公開してます。

【実データ】フリーランスエンジニアの経費率は平均何%?少ない理由と手取り戦略

経費の判断基準|3つのチェックポイント

個別の経費項目を見る前に、判断基準を押さえておきましょう。以下の3つをすべて満たせば、基本的に経費として計上できます。

  1. 事業に必要な支出か? — 仕事がなければ発生しない費用であること
  2. 支出の証拠があるか? — 領収書・レシート・利用明細が残っていること
  3. 私的利用と区別できるか? — プライベートと兼用の場合は按分できること

迷ったときの最終判断は「税務署の人に聞かれたとき、仕事で使ったと説明して納得してもらえるか?」です。これで「Yes」なら計上してOKです。

【一覧表】フリーランスエンジニアの経費○×判定

まず全体像を把握しましょう。下の表で「○=全額経費」「△=按分で一部経費」「×=経費にならない」を示しています。

支出項目 判定 勘定科目 備考
開発用PC(10万円未満) ○ 消耗品費 業務専用なら全額OK
開発用PC(10万円以上) ○ 工具器具備品 減価償却(4年)または一括償却
ディスプレイ・周辺機器 ○ 消耗品費 マウス・キーボード・Webカメラ等
SaaS・開発ツール月額 ○ 通信費 / ソフトウェア費 GitHub・AWS・Adobe・ChatGPT等
技術書・ビジネス書 ○ 新聞図書費 業務に関連する書籍のみ
オンライン講座(Udemy等) ○ 研修費 スキルアップ目的なら全額OK
セミナー・カンファレンス参加費 ○ 研修費 懇親会費は接待交際費
資格試験の受験料 ○ 研修費 不合格でもOK
サーバー代・ドメイン代 ○ 通信費 ブログ・ポートフォリオ含む
コワーキングスペース月額 ○ 地代家賃 業務利用なら全額OK
名刺印刷・Webサイト制作費 ○ 広告宣伝費 営業・ブランディング目的
会計ソフト利用料 ○ 支払手数料 freee・マネーフォワード等
税理士費用 ○ 支払手数料 顧問料・決算料
クライアント訪問の交通費 ○ 旅費交通費 ICカード履歴・領収書を保管
打ち合わせのカフェ代 ○ 会議費 相手の名前・目的をメモ
取引先との食事代 ○ 接待交際費 1人5,000円以下は会議費でもOK
自宅の家賃 △ 地代家賃 仕事部屋の面積割合で按分
電気代 △ 水道光熱費 面積 or 時間で按分
インターネット回線 △ 通信費 業務使用割合で按分(目安70〜80%)
スマートフォン料金 △ 通信費 業務使用割合で按分(目安30〜50%)
一人作業のカフェ代 △ 雑費 頻度が高すぎると指摘リスクあり
趣味の小説・漫画 × — 業務関連性なし
家族との食事代 × — 接待交際費にはならない
プライベート旅行 × — 出張と明確に区別が必要
生活用品(日用品・食料品) × — 事業関連性なし
趣味のガジェット・ゲーム × — 業務目的でなければ不可

全額経費にできるもの(○)を詳しく解説

PC・ディスプレイ・周辺機器

フリーランスエンジニアにとって開発用PCは最も重要な経費です。マウス・キーボード・モニター・Webカメラ・マイクなどの周辺機器も、業務で使うものはすべて経費になります。

10万円未満なら「消耗品費」として一括で計上できます。10万円以上のPCは「工具器具備品」として減価償却(耐用年数4年)するか、青色申告者なら30万円未満まで少額減価償却資産として一括経費にできます。

SaaS・クラウドサービスの月額利用料

開発やデザイン、業務管理に使うサービスの月額費用は経費にできます。

経費にできるサービスの例
  • 開発系:GitHub(有料プラン)、AWS、Heroku、Docker Hub
  • デザイン系:Adobe Creative Cloud、Figma
  • AIツール:ChatGPT Plus、Claude Pro、GitHub Copilot
  • 業務管理:Notion、Slack、Zoom

僕の場合、ChatGPT・GitHub Copilot・AWSなどで月額1万円以上になりますが、すべて「通信費」または「ソフトウェア費」として計上しています。

技術書・オンライン講座・セミナー

スキルアップのための支出はすべて経費です。技術書、Udemyなどのオンライン講座、技術カンファレンスの参加費が該当します。

IT資格(AWS認定、Google Cloud認定など)の受験料も経費にできます。不合格でも経費として計上可能です。

注意点として、趣味で購入した書籍は対象外です。「業務のスキル向上に必要だった」と説明できるかどうかが判断基準です。

サーバー代・ドメイン代

自社サービスやポートフォリオサイト、ブログの運用にかかる費用は経費にできます。ブログは「情報発信」「集客」「ブランディング」目的の事業活動として認められます。

交通費・打ち合わせ費用

クライアント訪問の電車代・タクシー代は「旅費交通費」として全額経費です。ICカードの利用履歴や領収書を保管しておきましょう。

打ち合わせで使ったカフェ代は「会議費」として計上できます。領収書に相手の名前・人数・目的をメモしておくと、税務調査時に説明しやすくなります。

取引先との食事は「接待交際費」になりますが、フリーランス(個人事業主)には接待交際費の上限はありません。ただし、明らかに高額な場合は税務調査で指摘される可能性があるので常識的な範囲で使いましょう。

按分が必要なもの(△)の考え方

自宅で仕事をしているフリーランスエンジニアは、生活費の一部を「家事按分」で経費にできます。

按分できる主な項目と目安

項目 按分率の目安 按分の根拠
家賃 10〜30% 仕事部屋の面積割合
電気代 20〜40% 面積 or 使用時間
インターネット 70〜80% 業務使用割合
スマートフォン 30〜50% 業務使用割合

ポイントは「按分率に合理的な根拠があること」です。面積なら間取り図、時間なら業務記録など、説明できる材料を残しておきましょう。

按分の具体的な計算方法やシミュレーション、按分率設定で失敗しないためのポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。

フリーランスエンジニアの家事按分と税務調査対策|按分率の決め方・計算・備え方

「一人作業のカフェ代」はグレーゾーン

打ち合わせではなく、一人で作業するためにカフェを利用した場合も経費にすることは可能です。ただし、毎日のようにカフェ代を計上していると、税務署から「生活費では?」と指摘されるリスクがあります。

僕は週1〜2回程度のカフェ作業費を「雑費」として計上しています。頻度と金額が常識的な範囲であれば問題ありません。

経費にならないもの(×)の具体例

以下のような支出は、どう説明しても経費として認められません。

  • 趣味の書籍・漫画・ゲーム — 業務との関連性がない
  • 家族・友人との食事代 — 接待交際費にはならない
  • プライベート旅行の費用 — 出張との区別が必要
  • 生活用品・食料品 — 事業に関係しない日常的な支出
  • 趣味目的で買ったガジェット — 業務利用を証明できなければ不可

「業務にも少し使っている」程度の曖昧な支出は、計上を控えるのが安全です。税務調査で否認されると、追加の税金(過少申告加算税)が発生します。

見落としがちな経費項目5選

最後に、フリーランスエンジニアが計上を忘れがちな経費を紹介します。僕自身、最初の確定申告で見逃していたものもあります。

① 会計ソフト・税理士費用

freeeやマネーフォワードの月額利用料、税理士への顧問料は「支払手数料」として経費になります。経費を管理するための費用も経費、というのは忘れがちです。

会計ソフトの選び方や比較については、こちらの記事で詳しく解説しています。

【6年使い分けた結論】フリーランスの会計ソフト比較3選

② 名刺・ポートフォリオサイト制作費

名刺の印刷費用、営業用Webサイトの制作費やテーマ購入費も「広告宣伝費」として経費にできます。フリーランスにとって自己ブランディングは事業活動の一部です。

③ 資格試験の受験料(不合格でもOK)

AWS認定やGoogle Cloud認定などの資格試験の受験料は「研修費」です。不合格でも経費として計上できるのは意外と知られていません。対策講座の受講料も同様です。

④ ブログ運営にかかる費用

レンタルサーバー代、独自ドメイン代、有料テーマの購入費は、ブログを事業として運営しているなら経費になります。技術発信や集客目的であれば問題ありません。

これからWordPressブログを始める方は、WordPress向けレンタルサーバー5社の比較も参考にしてください。料金だけでなく、表示速度・サポート・WordPressの始めやすさで選び方を整理しています。

⑤ 引っ越し費用の一部

仕事環境の改善を目的とした引っ越しの場合、費用の一部を経費にできるケースがあります。ただし、按分の根拠が必要です。判断が難しい場合は税理士に相談しましょう。

まとめ|「迷ったら一覧表で確認」を習慣に

フリーランスエンジニアが経費にできるもの・できないものは、3つの判断基準で整理できます。

  • ○ 全額経費:PC・SaaS・技術書・セミナー・交通費・名刺など、業務に直結する支出
  • △ 按分で一部経費:自宅の家賃・電気代・通信費など、プライベートと兼用の支出
  • × 経費にならない:趣味の支出・家族との食事・生活費など、事業と無関係な支出

経費を正しく把握して計上するだけで、年間数万円〜十数万円の節税になります。「知らなかった」で損をしないために、この記事の一覧表を確定申告の時期にまた見返してみてください。

この記事は「何が経費になるか」を一覧で確認するための辞書として使ってください。

さらに深掘りしたい方は、自宅費用の按分計算は【家事按分と税務調査対策の記事】、経費率の相場や実データの内訳は【経費率の実データ記事】で詳しく解説しています。

フリーランスエンジニアの家事按分と税務調査対策|按分率の決め方・計算・備え方

【実データ】フリーランスエンジニアの経費率は平均何%?少ない理由と手取り戦略

そして、ここで把握した経費を毎月ラクに記録するには会計ソフトが近道です。
3社を実際に使い比べた選び方は【フリーランスエンジニアの会計ソフト比較】をどうぞ。

【6年使い分けた結論】フリーランスの会計ソフト比較3選