【いくら残る?】フリーランスの手取り計算|税金・控除の仕組みをやさしく解説

お金・税金・社会保険(手取り設計)
「フリーランスになったけど、結局いくら手元に残るの?」

会社員のように給与明細で手取りが分かるわけではないので、不安になりますよね。

フリーランスの手取りは、「収入 → 経費 → 控除 → 税金」という順番を理解すれば、自分でざっくり計算できます。

僕はフリーランスエンジニアとして6年間、毎年自分で確定申告をしてきました。この記事では、手取りがどう決まるのかを計算の流れに沿ってやさしく解説し、具体例で「実際いくら残るのか」までイメージできるようにします。あわせて、手取りを左右する「使える控除」も一覧で押さえます。

フリーランスの手取りはどう決まる?|計算の4ステップ

フリーランスの手取りは、次の4ステップで決まります。

STEP1 収入 = 売上の合計
STEP2 事業所得 = 収入 − 必要経費
STEP3 課税所得 = 事業所得 − 所得控除
STEP4 手取り = 事業所得 −(社会保険料 + 所得税 + 住民税)

ポイントは、税金は「課税所得」に対してかかること。だから、経費と控除をしっかり積むほど課税所得が下がり、手取りが増えます。まずは各ステップを順番に見ていきましょう。

STEP1・2:収入と事業所得

フリーランス(個人事業主)の「収入」は、事業によって発生した売上金額です。

業務委託で月50万円を得ているフリーランスエンジニアの場合
収入 = 600万円(50万円/月×12ヶ月)

事業所得」は、収入から必要経費(業務のために必要だったお金)を差し引いた金額です。

事業所得 = 収入 − 必要経費
収入:600万円、必要経費:120万円の場合
事業所得 = 480万円(600万円−120万円)

STEP3:課税所得

課税所得とは、税金計算の対象となる所得です。事業所得から「所得控除」を差し引いた金額で、この課税所得に対して所得税・住民税が計算されます

課税所得 = 事業所得 − 所得控除額

所得控除には、青色申告特別控除・基礎控除・社会保険料控除などがあります(記事の後半で一覧にまとめています)。

STEP4:税金を引いて手取りへ

課税所得が分かれば、所得税と住民税が計算できます。そこから社会保険料と税金を引いた残りが、実際の「手取り」です。

会社員との違いは「自分で計算・納税する」点だけです。会社員は「給与所得 = 収入 − 給与所得控除」を会社が天引きで処理してくれますが、フリーランスはこれを自分で行う、というイメージです。

【具体例】フリーランスエンジニアの手取りを計算してみる

言葉だけだとイメージしづらいので、モデルケースで実際に計算してみます。

前提
売上600万円/必要経費120万円(経費率20%)/独身・扶養なし/青色申告(e-Tax・65万円控除)/国民健康保険+国民年金
項目 金額(概算)
① 事業所得(600万 − 経費120万) 480万円
② 所得控除(青色65万+基礎58万+社会保険料 約75万) 約198万円
③ 課税所得(① − ②) 約282万円
④ 所得税(概算) 約18.5万円
⑤ 住民税(概算) 約29万円
手取り(① − 社会保険料75万 − 税金47.5万) 約357万円
上記は自治体・家族構成・他の控除によって変わる概算です。正確な金額は会計ソフトや各種シミュレーターで確認してください。

ここに小規模企業共済やiDeCoを足すと、課税所得がさらに下がって手取りが増えます。「経費率を変えると手取りがどう動くか」を年収別に見たい方は、こちらの実データ記事が参考になります。

【実データ】フリーランスエンジニアの経費率は平均何%?少ない理由と手取り戦略

手取りを左右する「所得控除」一覧

手取りを大きく左右するのが「所得控除」です。フリーランスが使える主なものを一覧にまとめました。細かい計算式より、「手取りにどう効くか」をつかめれば十分です。

控除 ざっくり内容
青色申告特別控除 e-Tax+複式簿記で最大65万円(2027年分〜最大75万円)
基礎控除 ほぼ全員に適用。2025年分〜58万円(高所得者は減額)
社会保険料控除 国民年金・国民健康保険などの支払い全額。家族分を払った場合も合算可
小規模企業共済等掛金控除 小規模企業共済・iDeCoの掛金が全額控除
生命保険料控除 生命・介護医療・個人年金で最大計12万円
地震保険料控除 地震保険の保険料(所得税は最高5万円)
寄付金控除(ふるさと納税) 実質2,000円で返礼品+控除
医療費控除 年間の医療費が基準額(目安10万円)を超えた分

特に効果が大きいのが、上の3つ(青色申告・社会保険料・小規模企業共済/iDeCo)です。詳しくは関連記事で解説しています。

小規模企業共済については、こちらで詳しく解説しています。

【フリーランス向け】小規模企業共済とは?加入資格・節税効果・デメリットまで解説

ふるさと納税の仕組みや上限額、サイト選びはこちらにまとめています。

【実質2,000円】フリーランスのふるさと納税|節税効果とサイト比較を総まとめ

青色申告特別控除(65万円)の受け方や申告手順は、確定申告ガイドで解説しています。

【初めてでも迷わない】フリーランスの確定申告ガイド|開業届から申告完了まで全手順

税額控除も手取りに効く

ここまでの「所得控除」は所得を減らす控除ですが、「税額控除」は計算した税金から直接差し引ける控除です。インパクトが大きいので、該当するものは見逃さないようにしましょう。

  • 住宅ローン控除(住宅借入金等特別税額控除)
  • 配当控除
  • 外国税額控除
  • 寄附金控除(ふるさと納税の住民税・特例分)

例えば、ふるさと納税は、住民税から「税額控除」される仕組みです。住宅ローン控除も税額から直接引けるため、住宅を購入した年以降は手取りへの影響が大きくなります。

手取りを増やすには?

手取りを増やす方法はシンプルで、次の2つに集約されます。

  1. 経費を漏れなく計上する(課税所得を下げる)
  2. 使える控除を最大化する(小規模企業共済・iDeCo・ふるさと納税など)

どの節税策から手をつけるべきか、効果が大きい順に知りたい方は、こちらにまとめています。

フリーランスの節税対策まとめ|6年実践して効果が大きかった順に解説

また、これらの計算や確定申告をラクにするには会計ソフトが近道です。3社を実際に使い比べた選び方はこちら。

フリーランスエンジニアの会計ソフト比較|freee・マネーフォワード・弥生を使ってわかった違い

まとめ

フリーランスの手取りは、「収入 → 経費 → 控除 → 税金」の4ステップで計算できます。

  • 手取り = 事業所得 −(社会保険料+所得税+住民税)
  • 税金は「課税所得」にかかるので、経費と控除を積むほど手取りが増える
  • まずは青色申告・社会保険料・小規模企業共済/iDeCoの3つを押さえる

仕組みが分かれば、「自分はいくら残るのか」「どの控除を使えるのか」が見えてきます。あとは経費と控除を最大化して、手取りを着実に増やしていきましょう。