LINE公式の問い合わせを自動化する3つの方法|無料機能から本格AIまで徹底比較

中小企業のAI活用
「お客さんからLINEで問い合わせが来ているのに、現場が忙しくてすぐ返せない」

そんな状況に、心当たりはありませんか。

現場仕事や接客をしながら一人で経営していると、問い合わせに気づくのが数時間後、ひどいときは翌日になってしまうこともあります。お客さんは「返信が早いところ」にすぐ流れていってしまうので、この初動の遅れは、知らないうちに売上を取りこぼす原因になりがちです。

この記事では、LINE公式アカウントの問い合わせ対応を自動化する3つの方法を、それぞれの「できること・できないこと」も含めて解説します。読み終えるころには、あなたのお店や事業に「ちょうどいい」自動化の方法はどれか、自分で判断できるようになっているはずです。

専門用語はそのつどかみ砕いて説明しますので、ITが苦手な方も安心して読み進めてください。

Contents

LINE公式アカウントの問い合わせ自動化とは?まず全体像をつかむ

「自動化」と聞くと難しそうに感じますが、やることはシンプルです。

お客さんからメッセージが届いたときに、人が手を動かさなくても、あらかじめ用意した内容を自動で返す。

これが問い合わせ自動化の基本になります。

自動化でできること・解決できる悩み

問い合わせ対応を自動化すると、次のような悩みが解決します。

返信が即時になる

営業時間外でも、現場に出ていても、お客さんを待たせません。
「とりあえず受け付けました」の一言が自動で返るだけでも、お客さんの不安はぐっと減ります。

よくある質問の回答に毎回答える手間が消える

「営業時間は?」「料金は?」「予約はできる?」といった定番の質問には、自動で答えてくれます。あなたが手で対応するのは、本当に大事な商談だけに絞れます。

確認しておきたいことを聞き漏らさない

お客さんの名前、希望日、相談内容などを最初に自動で聞いておけば、後のやりとりがスムーズになります。

実際に、問い合わせから5分以内の応答と30分後の応答では、成約率に最大21倍の差があるというデータもあります。対応の遅れがどれだけの売上損失につながるかは、以下の記事で詳しくまとめています。

【問い合わせ対応が遅い?】返信が遅いと売上が21倍変わる|中小企業向け3つの改善策

問い合わせ自動化の3つの方法【早見表】

LINE公式アカウントで問い合わせを自動化する方法は、大きく3つあります。

方法 費用 設定の難しさ できることの幅 向いている人
①応答メッセージ 無料 やさしい 定型の返信のみ まず試したい全員
②AI応答メッセージ 無料 やさしい AIがゆるく解釈して返信 質問のゆらぎに対応したい人
③Messaging API × AIチャットボット 自作なら格安/外注は数万円〜 難しい(開発が必要) 会話を設計して聞き出せる 本格的に自動ヒアリングしたい人

それぞれ詳しく見ていきます。「自分はどれだろう?」と当てはめながら読んでみてください。

【方法1】応答メッセージ|無料で今日から始められる基本機能

最初に試してほしいのが、LINE公式アカウントに最初から付いている「応答メッセージ」機能です。
追加費用は一切かからず、今日からでも使えます。

応答メッセージには、2つのタイプがあります。

キーワード応答と一律応答の違い

一律応答は、どんなメッセージが届いても、同じ文章を返す設定です。
例えば「お問い合わせありがとうございます。担当者より順次ご連絡します」といった受付メッセージを、誰に対しても自動で返せます。

キーワード応答は、お客さんのメッセージに特定の言葉が含まれていたとき(設定によっては言葉が完全に一致したとき)に、それに合った返信をする設定です。
例えば「営業時間」と送られたら営業時間を、「予約」と送られたら予約方法を返す、といった使い分けができます。

この2つを組み合わせれば、「定番の質問は自動で答え、それ以外は受付メッセージを返しつつ後で人が対応する」という形が作れます。

設定手順(ホーム → 応答設定)

設定はLINE公式アカウントの管理画面から行います。大まかな流れは次の通りです。

まず管理画面にログインし、応答設定の画面を開きます。
ここで応答方法を「手動チャット+応答メッセージ」などに設定します。

次に、応答メッセージの作成画面から「作成」を選び、一律応答やキーワード応答のメッセージを登録していきます。

操作自体は難しくなく、スマホアプリ(LINE公式アカウントアプリ)からも設定できるので、パソコンが苦手でも大丈夫です。

向いているケースと「ここが限界」

応答メッセージは、「よくある質問への定型返信」までなら最強です。無料で、すぐ使えて、十分に役立つので、まずはここから始めるのがおすすめです。

ただし、限界もあります。応答メッセージはあくまで「決まった言葉に決まった返事を返す」仕組みなので、お客さんの状況に合わせた柔軟な会話はできません。「リフォームを考えていて、予算は◯◯で、時期は…」といった個別の相談を、順番に聞き出していくような対応は苦手です。

また、チャット機能との併用には設定上の制約があり、運用を間違えると「自動返信とスタッフの手動返信がかみ合わない」といったことも起こります。

「定型の返信だけでは物足りない」と感じたら、次の方法を検討しましょう。

【方法2】AI応答メッセージ|LINE標準のAI機能でできること

LINE公式アカウントには、AIが返信を考える「AI応答メッセージ」という機能もあります。これも追加費用なしで使えます。

応答メッセージとの違い(AIが内容を解釈して返す)

方法1の応答メッセージが「決まった言葉に決まった返事」だったのに対し、AI応答メッセージはAIがメッセージの内容をある程度くみ取って、それらしい返事を自動で返してくれます。

例えばお客さんが「何時までやってますか?」と送っても「営業は何時から?」と送っても、AIが「営業時間に関する質問だ」と解釈して答えてくれる、というイメージです。言い回しのゆらぎに強いのが利点です。

向いているケースと注意点

質問の言い回しがお客さんによってバラバラで、キーワード応答だけでは取りこぼしが多い。
そんな場合に、AI応答メッセージは効果を発揮します。

一方で、過度な期待は禁物です。AIが何を返すかを細かくコントロールするのは難しく、「自社が聞きたいことを、決めた順番で確実に聞き出す」といった用途には向きません。お客さんの相談を整理して必要な情報を集める、といった踏み込んだ自動化をしたいなら、次の方法3が必要になります。

【方法3】Messaging API × AIチャットボット|柔軟な自動ヒアリング

3つの方法の中で、最も自由度が高いのがこの方法です。LINEの「Messaging API」という仕組みを使って外部のシステムとつなぎ、AIチャットボットに会話を任せるやり方です。

少し専門的に聞こえますが、できることはシンプルで強力です。

何ができるか(会話の設計・自動ヒアリング・有人への引き継ぎ)

この方法なら、会話そのものを自由に設計できます。

例えば
「ご相談ありがとうございます。まずお名前を教えてください」
→「ご希望の内容は次のどれですか?」
→「ご希望の日程はいつ頃でしょう?」

というように、お客さんから必要な情報を一つずつ自然に聞き出すことができます。
これは、人間の受付スタッフがやっている「ヒアリング」を、AIに肩代わりさせるイメージです。

しかも、ある程度聞き出したところで「ここからは担当者がご案内します」と人間に引き継ぐこともできます。
自動と手動のいいとこ取りができるようになります。

費用の実例:自作なら月◯円、外注の相場は?

費用がいくらになるのか、気になるでしょう。

実は、ClaudeなどのAIを使ってこの仕組みを自分で作った場合、月々のランニングコストはほぼAPI利用料だけで、数十円程度に収まることもあります。

僕自身、このLINE×AIの問い合わせ自動化システムを自作しましたので、その過程と実際のコストは別記事で詳しく書いています。

【個人開発】LINE × AIで問い合わせ対応を自動化するシステムを1週間で作った話

外部の制作会社に依頼する場合は、構築費用としておおよそ数万円〜が相場になります。
加えて、月額のツール利用料もかかるサービスもあるようです。

向いているケース/導入のハードル

「定型返信では足りない」「お客さんの相談をしっかり聞き出して、商談につなげたい」
そういう本格的な自動化をしたいなら、この方法3が最適です。

ただし正直にお伝えすると、自作には開発の知識が必要で、ITが専門でない方が一から作るのは現実的ではありません。

だからこそ、「仕組みは欲しいけれど自分では作れない」という方向けに、設定や会話設計まで丸ごと任せられるサービスを使う、という選択肢があります(この記事の最後にご案内します)。

3つの方法の比較表|あなたの規模・目的で選ぶ

ここまでの内容を、選ぶ視点で整理します。

比較軸 ①応答メッセージ ②AI応答メッセージ ③Messaging API×AIボット
費用 無料 無料 自作は格安/外注は数万円〜
設定の手軽さ △(開発が必要)
会話の柔軟さ △(定型のみ) ○(ゆるく解釈) ◎(自由に設計)
情報を聞き出す力 ×
向いている規模 これから始める全員 質問のゆらぎが多い人 本格運用・商談重視の人

規模・目的別の選び方フローチャート

迷ったら、次の順で考えてみてください。

①まだ何もしていない

まずは無料の「①応答メッセージ」を設定してみましょう。
これだけで初動の遅れはかなり減ります。

②質問の言い回しがバラバラで取りこぼす

「②AI応答メッセージ」を追加で試してみましょう。

③お客さんの相談を聞き出して商談につなげたい

「③Messaging API×AIボット」を検討しましょう。
自作が難しければ専用サービスを使うのもおすすめです。

大事なのは、いきなり高機能を目指さないことです。
無料の方法1から始めて、限界を感じたら次へ進む。これが失敗しない順番です。

自動化を導入する前に決めておきたい3つのこと【会話設計】

ここで、ツール選び以上に大切な話をします。

僕はもともと営業職で、独立してエンジニアになりました。営業時代に痛感したのは、「何を聞くか・どう聞くか」で、お客さんの反応はまるで変わるということです。

これは自動化でもまったく同じです。どんなに高機能なツールを入れても、会話の中身がまずければ、お客さんは途中で離れてしまいます。

自動化を始める前に、最低でも次の3つを決めておきましょう。

① ゴール(何を聞き出したいか)を先に決める

「自動応答で結局なにを達成したいのか」を最初に決めます。受付だけでいいのか、名前と要件まで聞きたいのか、見積もりに必要な情報まで集めたいのか。ゴールが決まれば、必要な質問の数が自然と決まります。

② 質問は最小限に(”質問責め”はお客さんを逃す)

やりがちな失敗が、あれもこれもと質問を詰め込むことです。お客さんは、いきなり10個も質問されたら答える前に離脱してしまいます。本当に必要な2〜3個に絞る。これだけで完了率が大きく変わります。

③ 有人対応への切り替え導線を用意する

自動化は万能ではなく、込み入った相談や自動では答えにくい質問が必ず出てきます。
そのときに「ここからは担当者がご対応します」と、人間にバトンタッチできる導線を必ず作っておきましょう。これがないと、お客さんは「ロボットに突き放された」と感じてしまいます。

よくある質問(FAQ)

Q. 無料機能(応答メッセージ)だけで、どこまでできますか?

A. 「よくある質問への定型返信」までなら十分にカバーできます。営業時間・料金・予約方法などをキーワード応答で設定するだけでも、問い合わせ対応の手間はかなり減ります。まずはここから始めるのがおすすめです。

Q. 個人事業主にも問い合わせ自動化は必要ですか?

A. むしろ一人や少人数の事業ほど効果が大きいです。人手が足りず返信が遅れがちな状況こそ、自動化が「もう一人のスタッフ」として効いてきます。無料で始められるので、導入のリスクもありません。

Q. 導入にはどれくらいの時間・費用がかかりますか?

A. 方法1・2(応答メッセージ/AI応答メッセージ)は無料で、設定は早ければ30分ほどで終わります。方法3(AIチャットボット)は、自作ならランニングコストは数十円規模に抑えられることもありますが開発知識が必要で、外注する場合は構築費用が数万円〜かかるのが一般的です。

まとめ|まずは無料機能から、限界を感じたら自動ヒアリングへ

LINE公式アカウントの問い合わせ自動化には、3つの方法がありました。

  1. ①応答メッセージ:無料ですぐ始められる
  2. ②AI応答メッセージ:AIがゆるく解釈してくれる
  3. ③Messaging API × AIチャットボット:会話を設計して必要な情報まで聞き出せる

おすすめの進め方は、まず無料の方法1から始め、物足りなさを感じたら段階的に上の方法へというステップです。そして、ツールそのものより「何を・どう聞くか」という会話設計が成果を左右します。

「会話設計まで含めて、本格的な自動ヒアリングの仕組みを作りたい。でも自分で開発するのは難しい」
もしそう感じたなら、設定も会話の設計も丸ごとお任せできる仕組みがあります。

中小企業・個人事業主向けに、LINE × AIでお客さんからの問い合わせを自動でヒアリングするサービスを提供しています。実際の動きはデモLINEですぐ体験できますので、まずはどんなものか触ってみてください↓

【デモ公開中】ヒアリングAI|中小企業・個人事業の問い合わせ対応を自動化

返信の遅れで、もうお客さんを取りこぼさない。その第一歩を、今日から始めてみませんか。