
営業の仕事を続けながらエンジニアを目指すとき、「何から学ぶか」だけでなく、仕事が決まるまでの時間と費用も気になりますよね。
僕は2019年8月に学習を始め、約6ヶ月後に、業務委託で最初の現場に入りました。スクール代は251,900円、パソコン代は約13万円でした。その後はフリーランスとして約6年働き、2026年1月からは、エンジニアとして会社員(客先常駐)で働いています。
この記事では、最初の仕事に就くまでの行動と、費用、つまずいた点、就業先を選ぶときに確認したい条件を、僕の体験をもとにまとめます。結果は、経験・学習時間・応募先によって変わります。
僕は正社員としてエンジニアへ転職したのではなく、就業先を探している間に声をかけられ、業務委託で最初の現場に入りました。SNSで接点があったからたまたま決まっただけで、再現しにくい進み方です。同じ契約形態を勧める記事ではありません。
その経緯も正直に書いたうえで、より再現しやすい「まず就業して実務経験を積むまでの道筋」を中心に解説します。
- 未経験からエンジニアになるまでの全体像(4ステップ)
- 元営業の僕が、最初の現場に入るまでにかかった期間と費用(体験値)
- スクールと独学、どちらを選ぶかの考え方
- 応募・参画の前に確認したい「未経験求人」の見極め方(←ここが一番大事)
僕のキャリアの流れ
最初に、僕の経歴を整理します。この記事で扱うのは、表の2行目までです。
| 時期 | 立場 | 内容 |
|---|---|---|
| 〜2019年 | 営業(会社員) | 建設会社・商社で営業 |
| 2019年8月〜2020年1月 | 学習・就業先探し | 無料サービスで基礎 → スクール受講 → ポートフォリオ制作 → 就業先探し |
| 2020年2月〜2026年1月(約6年) | エンジニア(業務委託・フリーランス) | 未経験で最初の現場に入る。のちにエージェント経由の案件も |
| 2026年1月〜 | エンジニア(会社員・客先常駐) | フリーランスから会社員に転職 |
「その後」の話(フリーランスの6年と、会社員に戻る判断)は、記事の後半に関連記事をまとめています。
【全体像】未経験からエンジニアになるまでのロードマップ
まず、ゴールまでの地図を示します。やることはシンプルに4ステップです。
- 学ぶ言語を決める
- 学習手段を選ぶ(スクール or 独学)
- ポートフォリオ(作品)を作る
- 就業先を探す(求人応募/案件紹介など)

働きながらの学習で、この期間でした。人によって前後します。
僕の場合の費用:スクール251,900円+MacBook Air約13万円=約38万円
書籍代などの細かい支出は、この記事では集計していません。給付金の対象になるコースもありますが、条件はスクールごとに違うため、各公式で確認してください。
焦って最短を狙うより、着実にスキルを積むほうが結局は近道だと、僕は感じています。順番に見ていきましょう。
【実体験】元営業の僕が、6ヶ月で最初の現場に入るまで
一般論より、実際に通った人間の話のほうが役に立つと思うので、先に僕の道のりを共有します。
学習開始から最初の現場まで(実際の時系列)
| 時期 | やっていたこと |
|---|---|
| 2019年8月 | 無料の学習サービスで基礎に触れる |
| 2019年9〜11月 | テックアカデミー受講(12週間)+ポートフォリオ制作 |
| 2019年12月 | 就業先探しを開始(正社員求人とWantedlyなどのSNSを併用) |
| 2020年1月 | Wantedlyで接点のあった企業から参画相談 → 面談 → 決定 |
| 2020年2月 | 最初の現場に入る(業務委託) |
営業のノルマがしんどくて、エンジニアを目指した
僕は建設会社と商社で営業をしていましたが、毎月のノルマや数字に追われるプレッシャーがどうしても好きになれませんでした。もともとITに興味があり、「手に職をつけて、リモートで自由に働きたい」という思いから、エンジニアへの挑戦を決めました。
学習4ヶ月+就業先探し2ヶ月。使ったお金のリアル
学習は2019年8月から。最初は無料の学習サービスで基礎に触れ、「本気でやる」と決めてからテックアカデミーのWebアプリケーションコース(社会人プラン12週間)を受講しました。費用は無料体験の割引込みで総額251,900円。あわせて開発用にMacBook Air(新品)を約13万円で購入しています。
スクールでは、週2回のメンター面談を受けながら、HTML/CSS・JavaScript・Ruby・Ruby on Railsを学習しました。カリキュラムの課題としてWebアプリを1つ、ポートフォリオとして完成させました。
※受講したのは2019年当時のコースです。料金や内容は現在と異なる可能性があります。
つまずいた3つのポイントと、乗り越え方
正直、順調ではありませんでした。特にきつかったのが次の3つです。
① エラーが解決できない
学習初期は、1文字の打ち間違いで動かず、何時間も溶かすこともありました。
エラーメッセージを検索する/講師に質問する(1人で抱えない)/解決過程をメモする、で乗り切りました。
② モチベーションが続かない
小さな目標を積む/週1で新しい機能を実装/X(当時Twitter)に学習記録を投稿(いいねが励みに)したりしていました。
③ 時間が取れない
働きながらなので、仕事終わりや休日にカフェで1時間など、場所を変えて集中するようにしました。
学習時間を固定し習慣化しました。
未経験からの挑戦は、才能よりも「続け方」の影響が大きいと感じました。つまずくことを前提に、質問できる環境と続ける仕組みを用意できるかが分かれ目だと思います。
STEP1:学ぶ言語を決める
最初の一歩は言語選びです。目指す方向で選びましょう。
Webアプリ・自社開発を目指す:Ruby(Rails)/JavaScript
AI・データ分析に興味:Python
僕はRuby / Ruby on Railsから入りました。迷うなら、学習リソースが多く、質問先を見つけやすい言語を選ぶと進めやすいです。
STEP2:学習手段を選ぶ(スクール or 独学)
ここが最大の分岐点です。「質問できる環境と強制力」にお金を払えるかで考えると決めやすいです。
スクールが向いている人
現役エンジニアに質問でき、課題で強制的に手を動かせるのがスクールの価値です。独学は一人で続けるのが難しいと言われます。「一人だと続かない」自覚がある人は、環境の力で時間を買う判断が有効です。
僕が実際に受講したのは、テックアカデミーの2019年のコースです。次の記事で比較している4校は、僕が受講した学校ではなく、各公式サイトの情報(確認日つき)で比べたものです。
スクールの選び方は、こちらの記事にまとめました。
独学が向いている人
費用を抑えたい・自分のペースで進めたい人は、独学スタートも十分アリです。基礎を独学で触ってから必要に応じてスクールへ、という順番も賢い選択です。
文系・異業種の出身でも大丈夫
「理系じゃないと無理では?」とよく聞かれますが、そんなことはありません。
僕自身が文系・非ITの営業出身です。一般的なWeb開発に高度な数学は不要で、必要なのは論理的に問題を分解する力と継続力です。むしろ、前職で培った対人スキルや業務理解は、エンジニアになってからの武器になります。
STEP3:ポートフォリオ(作品)を作る
未経験で就業先を探すとき、実力を示す材料として使いやすいのがポートフォリオです。
完璧でなくてOKです。基本機能が動けば十分アピールになります(今後の実装予定を書き添えると、意欲が伝わります)。
公開できる作品なら、GitHubや動作するURLを示すと、採用担当が実際に触れられ、制作過程も説明しやすくなります。
僕はユーザー認証やデータのCRUD操作を実装したWebアプリを1つ作りました。企画→設計→実装を一通り経験でき、エラーに悩んだ過程そのものが、面談で語れる材料になりました。
STEP4:就業先を探す(転職活動)
最初の仕事を探す方法は、大きく「正社員などの求人に応募する」「業務委託・案件として参画する」の2つがあります。
前職の経験を「翻訳」してアピールする
未経験でも、社会人経験は強みです。僕は営業で培った課題解決力・コミュニケーション力・スケジュール管理を、エンジニアでも活きるスキルとして職務経歴書と面接でアピールしました。前職の経歴は省略せず、具体的な実績や数字を添えて書きましょう。
面接・面談は「準備」で差がつく
技術的な質問に加え、ポートフォリオの技術選定理由や、なぜエンジニアを目指すのかを具体的に語れるように準備します。
面接で実際に聞かれる質問と回答の作り方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
正社員を目指す場合
未経験で正社員のエンジニアを目指すなら、求人票と面接で、次の「未経験求人の見極め方」の確認項目をそのまま使えます。内定が決まる前に、「契約形態」「研修後の業務」「配属先」を確認してください。
僕の場合は、転職ではなく業務委託で決まった
ここは正直にお伝えしておきます。
僕自身は、会社への転職を経ずに、業務委託でエンジニアのキャリアを始めました。
2019年12月に動き始めたときは、正社員の求人も普通に見ていました。ただ同時にWantedlyなどのSNSも使っていて、そこで接点のあった企業から「業務委託で参画しませんか」と声をかけていただいたのです。スキルシートを出し、案件面談を経て、参画が決まりました。
- SNSでたまたま接点が生まれたから決まっただけで、再現性はありません
- 実務経験がないため、フリーランスエージェントは頼れません(僕が登録できたのは実務2年後です)
- 収入が途切れても誰も補償してくれません。僕は実家暮らしで生活費を月10万円ほどに抑えられたから成立しました
業務委託で入る前に、自分に置き換えて確認すること
僕が成り立った条件を、自分の状況に置き換えて確認してください。
- 収入が途切れても暮らせる生活費の備えが何か月分あるか(僕は実家暮らしで月10万円ほど)
- 保険・年金・税金の手続きを、自分で行う準備ができているか
- 契約書で、報酬・期間・業務範囲・支払い条件を確認したか
- 契約が切れたときに、次の仕事を探す手段があるか
未経験の方には、まず就業して実務経験を積むことを勧めます。そのうえで独立を考えるほうが、選べる案件も条件も大きく変わります。
それでも「未経験から独立」を検討する方へ。お金の準備で何が必要になるかは、僕自身の準備不足の反省としてこちらにまとめました。
【最重要】失敗しない「未経験求人」の見極め方
ここは声を大にして伝えたい部分です。未経験可の求人や案件には、当たり外れがあります。
企業の言う「未経験」には、「基礎学習済みを前提とした未経験」と「完全未経験」があります。「未経験OK」という文字だけで決めず、研修後の業務と配属条件を確認してください。実際の業務がテストや単純作業に限定されたり、エンジニアと無関係な仕事(コールセンターや携帯販売など)だったり、想定外の労働条件だったりするケースもあります。
僕自身、スクールの紹介求人でもインフラ系など、自分の理想と合わないものが少なくありませんでした。正社員の求人は、給与や勤務形態などの条件が厳しいものが目立ちました。確かなことは言えませんが、いわゆる「SESガチャ」(配属先次第で当たり外れが大きい)に当たりやすそうだと感じる企業も多かったです。これは僕が当時見た範囲の印象で、すべての企業に当てはまるわけではありません。
だからこそ、紹介されるまま焦って決めず、次を確認しました(または、後から確認すべきだったと感じました)。
求人票・案件票で確認すること
- 雇用形態・契約形態は何か(正社員/契約社員/派遣/業務委託)
- 研修期間と、研修後に担当する業務は具体的に何か
- 使う技術・開発環境は、自分が学んだ内容と近いか
- 「開発現場にアサインされる」求人か(ポートフォリオ提出が条件の求人は、開発の経験を見ている傾向)
- 配属先(客先常駐など)と、教育担当・先輩エンジニアのサポートはあるか
- 待機期間(案件が決まるまで)の給与はどうなるか
- 単価・稼働日数・精算条件(業務委託の場合)
面談で聞くこと(僕の場合と、質問例)
僕が業務委託の面談で実際にやっていたのは、聞く相手を分けることでした。
- 現場の方との面談では、業務内容と技術環境を中心に確認しました。
- 契約に関すること(単価や稼働日数など)は、間に立つエージェントや営業の方に確認しました。
- 現場が今抱えている課題は何か
- なぜ今メンバーを募っているのか(何を求めているのか)
就業後に「想像と違った」と感じた点は、僕の場合は特にありませんでした。ただ、上の2点を聞いていれば、自分がどう貢献できるかまで、面談の段階で話せたと思います。
求人・案件ごとに確認できる質問の例です。
- 入社(参画)後、最初の3か月に担当する業務は何ですか。
- 開発の進め方(開発サイクル、コードレビューの方法)はどうなっていますか。
- 今、現場が抱えている課題は何ですか。
- なぜ今、メンバーを募っているのですか。どんな役割を期待していますか。
- 研修がある場合、期間と内容、研修中の給与はどうなりますか。
- 配属先はどのように決まりますか。希望は反映されますか。
- 質問できる先輩エンジニアはいますか。
質問は、相手によって分けます。業務内容・技術・進め方は現場の方に、雇用条件や契約は、人事・営業・エージェントなどの窓口に聞きます。
複数の求人・エージェントを見比べ、自分の軸で見定めることが、入ってから後悔しない一番のコツです。
年齢によって戦い方は変わる(特に30代の方へ)
未経験採用では、年齢が上がるほど選考の見られ方が変わります。学習後の伸びしろだけでなく、これまでの職務経験や入社後どう貢献できるかまで問われるようになり、応募できる求人の選択肢も狭まりやすくなります。
だからこそ30代は、「未経験の若手」と同じ土俵で戦うのではなく、前職の経験×プログラミングの掛け算で勝負することが重要です。年齢を気にしないようにするのではなく、前職で培った経験を技術職でどう活かせるかまで説明できる状態にしてください。
詳しくはこちらの記事にまとめました。
「そもそも自分は向いている?」のか、適正などが気になる方はこちらもどうぞ。
「その後」の話:フリーランスの6年と、会社員に戻る判断
この記事は「最初の仕事に就くまで」の話です。その後の経緯は、次の記事にまとめています。
2026年1月に、フリーランスから会社員(エンジニア・客先常駐)へ転職した経緯はこちらです。
フリーランスを6年続けて感じた、お金とキャリアの本音はこちらです。
会社員に戻って分かった、エージェントの選び方はこちらです。
まとめ:未経験からの挑戦は「確認しながら」着実に
- やることは4ステップ(言語→学習手段→ポートフォリオ→就業先探し)
- 僕の場合は、約6ヶ月・約38万円(スクール251,900円+PC約13万円)。人によって前後する
- 文系・異業種でも、前職の経験は強みになりうる
- 未経験求人は、「未経験OK」の文字だけで決めず、研修後の業務と配属条件を確認する
- 僕の業務委託での入り方は再現しにくい。まず就業して実務経験を積むほうが、選べる条件が広がる
僕は、営業のノルマに追われる毎日から、約6ヶ月で最初の現場に入りました。ただし、実家暮らしで生活費を抑えられたこと、SNSで接点が生まれたこと、業務委託だったことなど、僕に合った条件が重なった結果でもあります。
ご自身の生活費や希望する働き方に合わせて、次の一歩を選んでください。
まずは、学ぶ言語を決めるところから。
迷ったら、こちらの記事で学習手段を選ぶところから始めてみてください。










