【現場で使える】エンジニアの質問恐怖症をなくす質問術と実践ガイド

プログラミング
  • 質問するのが怖い…
エンジニアとして働く中で、わからないことを質問する場面は避けて通れません。しかし「質問するのが怖い」と感じた経験がある人も多いのではないでしょうか。

本記事の内容

  • なぜ質問を躊躇してしまうのか
  • 質問上手になるために
  • 【15分ルール+質問の書き方】質問手順
質問が苦手なエンジニアが現場で活かせる質問方法

質問が苦手なエンジニアが現場で活かせる質問方法

すみません、ちょっと質問してもいいですか…


新人エンジニアのTさん(25歳)は、その一言が喉まで出かかっていましたが、結局飲み込んでしまいました。チーム全体に影響する重要な機能を実装中でしたが、仕様の解釈に自信が持てません。

こんな基本的なことを聞いたら、能力不足だと思われるかも…

1週間後、実装した機能にバグが発見され、田中さんは上司から「なぜもっと早く相談しなかったの?」と指摘を受けることに…。

このような状況に心当たりがある方も多いと思います。
本記事では、質問が怖いと感じる原因を明らかにし、その克服法を具体例とともに解説します。

なぜ質問を躊躇してしまうのか

プライドが邪魔をする

「SQLインジェクション対策ってどうすればいいですか?」

中堅エンジニアのYさん(28歳)は、セキュリティ関連の質問をするのに1ヶ月悩みました。「自分のレベルでこんなこと聞けない」というプライドが、成長の機会を奪っていたのです。

実は、チームリーダーも新人時代に同じ悩みを抱えていたのかもしれません。今では部下に『どんどん質問してほしい』と言っているチームリーダーも、最初は質問するのが怖いと感じていたでしょう。

「質問下手」という落とし穴

「このバグの原因がわからなくて…」

新人エンジニアのSさん(23歳)は、30分かけて状況を説明しましたが、結局何が知りたいのか伝わりませんでした。どう伝えれば良いかわからず、つい質問を後回しにしてしまうようにコミュニケーションスキルの不足が影響しているケースもあります。
質問の仕方が分からないことも、大きな壁となっているのです。

職場文化の影響

「上司が忙しそうで、話しかけるタイミングをつかめない…」

新人エンジニアのMさん(23歳)は、上司が常に忙しそうにしていて、質問ができそうなタイミングが無いまま時間が過ぎてしまいました。
質問しやすい雰囲気がない職場では、心理的負担が増大します。

質問上手になるために

①質問前の準備が9割

Before(NG例)

上司:「で、結局何が知りたいの?」
田中:「え、あの、このエラーの原因が…」
上司:「自分でどこまで調べたの?」
田中:「すみません…」

After(OK例)

田中:「○○機能で△△のエラーが発生しています。
公式ドキュメントとStackOverflowで調べたのですが、
解決できませんでした。○○の部分のロジックが
問題かもしれないと考えているのですが、
ご確認いただけますか?」
上司:「よく調べたね。じゃあ一緒に見てみよう」

②小さな成功体験を積み重ねる

中堅エンジニアの木村さん(27歳)は、毎日1つ「簡単な質問」をすることにしました。

最初は『今日のミーティングの時間って何時からでしたっけ?』とか、本当に些細なことを聞くところから始めました。それを1週間続けたら、技術的な質問もしやすくなってきました。

【15分ルール+質問の書き方】質問手順

Google人工知能チームが推奨する「15分ルール」


引用:(Google人工知能チーム)Rachel Thomas氏の投稿より

和訳すると以下内容です。

  1. 最初の15分は自分で解決する
  2. 15分後も解決できないなら人に必ず質問する
  3. ※①を守らないと他人の時間を無駄にし、②を守らないと自分の時間を無駄にする。

①最初の15分は自分で解決する

まずは自分で問題を解決する時間を設けます。
問題が起きた時に自力で解決する問題解決能力も向上するため、自分自身のスキルも高まります。
また、自分がある程度トラブルの内容を理解できてから質問できるので、質問した時に「質問の意味が分からない」と言われることも減ります。

②15分後も解決できないなら人に必ず質問する

15分経っても解決できない場合は、必ず誰かに質問します。
それ以上時間をかけないことで、自分の時間も無駄にしないことにつながります。

15分後には誰かに相談すると決めることで、その間は集中して解決策を探ることができます。

質問する際の手順

質問の例

質問です。〇〇を実装しようとしているのですが、××というエラーが起きました。
〇〇ファイルで△△を書いた後にエラーが発生しました。
エラー名で検索を行った結果、□□が原因かと思い、検証をしてみましたが解決に至っていません。
何か他に考えられることはありますでしょうか?お手数ですがご確認のほどよろしくお願いいたします。

参考にしたサイト
・https://XXXXX.com/~
・https://YYYYY.co.jp/~

①聞きたいこと(やりたいこと・分からないこと)を伝える

「質問です。〇〇を実装しようとしているのですが、××というエラーが起きました。」

初めに、自分が聞きたいこと(やりたいこと・分からないこと)を一行で書きます。
一行にする理由は、質問される側が質問で何を聞きたいのかをシンプルに伝えるためです。

②今の状況を伝える

「〇〇ファイルで△△を書いた後にエラーが発生しました。」

起きている問題を具体的に書き出します。今どういう状況なのかを伝えることで、質問される側も状況が理解しやすくなります。

③試したこと・結果を伝える

「エラー名で検索を行った結果、□□が原因かと思い、検証をしてみましたが解決に至っていません。」

・エラー名
・調べた内容
・検証したこと
エラーについて調べ、仮説を立てて(原因を想定して)検証してみたことを伝えます。
また、質問文に加えて、ソースコードのスクショ画像やエラー内容をコピペするなどがあれば、より分かりやすくなります。

④最後に一言・参考にしたサイトなどを補足する

「何か他に考えられることはありますでしょうか?お手数ですがご確認のほどよろしくお願いいたします。」

③で試した際に参考にしたサイトを箇条書きなどで書きます。
質問を受ける側が、どのような思考プロセスで解決策を調べたのかを明確にするためにもなります。

まとめ

質問は怖くありません。むしろ「質問できる勇気」こそが、プロフェッショナルの証なのです。

「あの時に質問していなければ、リリース直前に深刻なパフォーマンス問題が発生していたかもしれない」
あなたの勇気ある一歩が、自分の成長だけでなく、きっとチーム全体に好影響をもたらします。
明日から「質問上手」への一歩を踏み出してみませんか?