
ツールの紹介やチュートリアルの記事は山ほど出てきます。でも、「実際にサービスを作ってリリースした人のリアルな話」って意外と見つからないと思いませんか?
僕は2026年、会社員エンジニアとして働きながら、Claude CodeとCursorを使って1週間でWebサービスをリリースしました。
この記事では、企画→開発→リリースまでの全工程と、AIツールをどう使い分けたか、使ってみて感じた本音をすべてお話しします。
なお、リリースしたサービスの詳細についてはこちらの記事で紹介しています。
Contents
そもそもClaude Code・Cursorとは?
まずは前提知識を簡単に整理しておきます。すでにご存知の方は次のセクションまで飛ばしてください。
Claude Code — ターミナルで動くAIコーディングパートナー
Claude Codeは、Anthropic社が提供するAIコーディングツールです。ターミナル上で自然言語で指示を出すと、コードの生成・ファイル編集・テスト実行・Git操作まで自動でやってくれます。
特徴的なのは、リポジトリ全体を読み込んで文脈を理解したうえで動いてくれる点です。「この機能を追加して」と言えば、関連するファイルを横断的に修正してくれます。
料金はProプラン$20/月(約3,000円)〜で、個人開発ならこれで十分始められます。
ただし、Proプランには使用量の制限があります。一定の使用量を超えると時間経過でリセットされるまで待つ必要があり、集中的にガッと開発を進めたいときは少しもどかしい印象があります。
まとまった時間で一気に作りたい場合は、上位プラン(Max $100/月〜)も検討する価値はあるでしょう。僕の場合、Proプランで工夫しながら進めましたが、リセット待ちの間に設計を見直す時間に充てるなど、制限を逆手に取る使い方をしていました。
Cursor — エディターとしてのベースキャンプ
CursorはVS Codeベースのコードエディターで、AIによるコード補完・チャット・エージェント機能が統合されています。
ただ、僕の場合はCursorのAI機能はあまり使っていません。コーディングに関するAI機能はClaude Codeに集約するようにして、Cursorは純粋にエディターとして利用しています。
VS Codeと同じ使い勝手で拡張機能もそのまま使えるので、エディター単体としても十分優秀です。Claude Codeがターミナルでコードを生成・編集してくれた結果を、Cursorで自分の手で確認・微調整するという流れが僕のスタイルになります。
Gemini — 企画と外部サービス連携の相談役
もう一つ、開発の中で活躍したのがGoogle Geminiです。
僕の場合、Geminiはコーディング以外の部分で大きく貢献してくれました。
- 企画段階のアイデア壁打ち・要件定義の整理
- Supabase・Google Cloud・Stripeなど外部サービスとの連携方法の相談
- Vercelへのデプロイ操作の手順確認
つまり、コーディングはClaude Codeに一任し、それ以外の「調べもの」「設計相談」「外部サービスの設定」をGeminiに頼るという役割分担です。
3つのAIツールの使い分け(まとめ)
僕が実際に使った3つのツールの役割を整理すると、こうなります。
- Claude Code = コーディング全般を任せる「開発のメインエンジン」
- Cursor = コードを確認・微調整する「エディター」
- Gemini = 企画・外部連携・デプロイの相談をする「ブレーン」
それぞれの得意領域で使い分けることで、1人でも効率的に開発を進められます。次のセクションでは、実際の開発工程でこの3つをどう組み合わせたかを具体的にお話しします。
会社員をしながら1週間でサービスをリリースした全工程
ここからが本題です。僕が実際にAIツールを使ってWebサービス「X Thread AI」をリリースするまでの流れを、時系列で紹介します。
Day 1-2|企画・要件定義(Geminiに壁打ちする)
最初にやったのは、Geminiへの壁打ちです。
「ブログ記事をXのスレッド形式に自動変換するサービスを作りたい」というアイデアを伝えて、以下を一緒に整理しました。
- ターゲットユーザーは誰か
- 必要な機能は何か(MVP=最小限の機能)
- 技術スタックはどうするか
- 1週間で収まるスコープはどこまでか
企画段階でGeminiを使ったのは、幅広い観点からアイデアを壁打ちしやすかったからです。
「こういうサービスは需要あると思う?」「技術スタックはNext.jsとSupabaseの組み合わせでいける?」といった相談に対して、メリット・デメリットを整理して返してくれるので、一人で悩む時間が大幅に減りました。
ここで大事だったのは、「AIに聞く前に、自分で何を作りたいか明確にする」ということです。
AIは優秀なパートナーですが、「何か面白いもの作って」では何も始まりません。僕は営業時代の経験から「相手に何を求めるか言語化する力」を持っていて、これがAI開発では想像以上に活きました。
営業経験がエンジニアの武器になる話は、こちらの記事でも触れています。
Day 3-5|開発(Claude CodeとCursorの使い分け)
開発フェーズでは、Claude CodeとCursorを場面ごとに使い分けました。
Claude Codeに任せたこと
- プロジェクトの骨格(ディレクトリ構成・初期ファイル群)の生成
- APIルーティングの設計と実装
- DB設計とマイグレーション
- 複数ファイルにまたがる機能追加
Claude Codeの強みは「全体を俯瞰して動ける」ことでしょう。「ユーザー認証機能を追加して」と指示すると、ルーター・コントローラー・テスト・設定ファイルをまとめて更新してくれます。一つひとつ手で書いていたら何時間もかかる作業が、数分で終わる感覚です。
Cursorでやったこと
- Claude Codeが生成・編集したコードの確認
- ファイル構成の把握・コードリーディング
- 手動での軽微な修正(タイポ修正、定数変更など)
前述の通り、僕の場合はCursorのAI機能は使わず、純粋にエディターとして利用しています。Claude Codeがターミナル上でコードを生成・編集してくれるので、その結果をCursorで開いて確認し、必要に応じて微調整するという流れです。
Geminiに相談したこと
- Supabase(データベース・認証)のセットアップ方法
- Google CloudやStripeとの連携手順
- Vercelへのデプロイ設定・環境変数の扱い
外部サービスの連携やデプロイ周りは、コードを書くというよりも「設定画面でどう操作するか」「どの項目に何を入れるか」を知りたい場面が多いです。こうした相談はGeminiが得意で、手順を丁寧に教えてくれるのでスムーズに進められました。
実際のワークフロー
開発中の典型的な流れはこんな感じでした。
- Geminiに外部サービスの連携方法や設計を相談する
- Claude Codeでコーディング・機能実装を進める
- Cursorで生成されたコードを確認・微調整する
- テストを走らせて問題なければ次へ
大事なのは「AIに丸投げ」ではなく「AIと協業する」という姿勢です。AIが生成したコードを必ずレビューし、なぜそのコードが書かれたのか理解したうえで次に進むことが大切だと思います。この工程を省くと、後から修正が効かなくなってしまいます。
Day 6-7|リリース・公開
デプロイもAIの力を借りました。Vercelへのデプロイ設定はGeminiに手順を相談しながら進め、CI/CDの構築はClaude Codeに指示して、本番環境へのデプロイを完了しました。
リリース後はXで告知しています。
サーバー代・API利用料など含めて月額1,000円以下で運用できています。
個人開発なら、このレベルのコストでWebサービスを公開・運用できる時代です。
AIツールで個人開発して感じた「本音」
ツールの紹介記事ではなかなか書かれない、実際に使ってみた率直な感想をお話しします。
よかったこと — 開発速度が圧倒的に上がった
一番大きかったのは、やはりスピードです。
1人で1週間。AIツールなしで同じものを作ろうとしたら、正直1ヶ月以上はかかっていたと思います。
特に効果が大きかったのは以下の作業です。
- 定型的なコード生成(CRUD操作、フォーム処理など)
- テストコードの作成
- エラーメッセージから原因を特定→修正提案
会社員として働きながらの開発なので、使える時間は平日の夜と週末だけです。この限られた時間で形にできたのは、AIツールのおかげです。
会社員に戻ってから個人開発に時間を充てられるようになった話は、こちらの記事でも書いています。
注意点 — AIに丸投げすると「動くけど読めないコード」になる
ただし、良いことばかりではありません。
AIが生成するコードは「動く」けど、必ずしも「良い」コードとは限りません。特に注意が必要なのは以下のケースです。
- 理解しないまま「動いたからOK」で進めると、後から修正が効かなくなる
- コード量が増えるにつれ、AIの提案の精度が下がることがある
- 設計の一貫性を保つのは、結局人間の責任
「レビューする力」がないと、AIツールの恩恵を十分に受けられません。
AIが書いたコードを読んで、理解して、必要に応じて修正する。このスキルは、エンジニアとしての基礎力がないと発揮できません。
「AIがあれば誰でも開発できる」という話を見かけますが、僕の実感としては「エンジニアとしての基礎があるうえでAIを使うと爆速になる」が正確な表現です。
現時点での結論 — 「AIは最強のジュニアエンジニア」
3ヶ月間AIツールを使い続けた今の結論はこうです。
AIは「最強のジュニアエンジニア」。
指示が明確なら爆速で動いてくれます。繰り返しの作業も嫌がりません。
でも、設計判断や仕様の意思決定は人間が握るべきです。
そして面白いことに、営業時代に培った「要件を言語化する力」がここで活きています。
AIへの指示は、要は「何を・なぜ・どう作りたいか」を正確に伝えること。これは営業で顧客のニーズをヒアリングして提案書に落とし込む作業と、本質的には同じです。
営業経験がエンジニアに活きる話はこちら。
これからAIで個人開発を始めたい人へ
最後に、「自分もAIを使って何か作ってみたい」と思っている方に向けて、僕なりのアドバイスをお伝えします。
まずはClaude Code + 無料のAIチャットから始めるのがおすすめ
いきなり複数の有料ツールに手を出す必要はありません。
まずはClaude CodeのProプラン($20/月)と、Geminiなどの無料で使えるAIチャットの組み合わせから始めてみてください。コーディングはClaude Code、企画や調べものはGeminiという使い分けだけで、十分に個人開発を進められます。
Claude CodeのProプランには使用量制限がありますが、個人開発のペースであれば基本的に問題ないと思います。「一日中ガッツリ開発したい」という場合は上位プランも検討してみてください。
エディターは使い慣れたものでOKです。僕はCursorを使っていますが、VS Codeでも何でも大丈夫です。
最初のプロジェクトは「自分が欲しいもの」を作る
「AIの勉強」を目的にするとだいたい途中で飽きます。
「自分が日常的に使うもの」をテーマにするのが一番のおすすめです。僕がX Thread AIを作ったのも、「自分のブログ記事をXで効率よく展開したい」という自分自身のニーズがあったからです。
自分が使うものなら、モチベーションが途切れません。使い続けるうちに改善点も見えてくるので、自然と開発が続きます。
完璧を目指さず、MVP(最小限の機能)でまず公開する
個人開発で一番ありがちな失敗は、完璧を目指して永遠にリリースできないパターンです。
僕がX Thread AIを1週間でリリースできたのは、最初から「最小限の機能で出す」と決めていたからです。足りない機能は、ユーザーの反応を見てから追加すればOKです。
AIツールを使えば、追加機能の実装も素早くできます。だからこそ、最初のリリースのハードルを下げることが大事です。
会社員でも個人開発はできる(ただし副業OKの確認は必須)
僕自身、会社員をしながら個人開発を続けています。AIツールのおかげで「限られた時間でも形にできる」時代になりました。
ただし、会社員として個人開発をする場合は、必ず副業・個人開発が認められているか確認してください。僕は転職時にこの条件を事前に確認したうえで入社しました。
会社員に戻った経緯やリアルな生活はこちら。
まとめ
AIツールを使い分ければ、会社員をしながらでも個人開発でサービスをリリースできます。
実際に1週間でWebサービスを作ってリリースした僕の実感をまとめると、こうなります。
- Claude Code(コーディング)× Gemini(企画・外部連携)× Cursor(エディター)の3ツール体制が効率的
- 「AIに丸投げ」ではなく「AIと協業する」姿勢が成果を分ける
- エンジニアとしての基礎力 × AIツール = 個人開発の速度が劇的に上がる
- 完璧を目指さず、MVPでまず公開することが一番大事
大事なのは「何を作るか」を自分で決められることです。AIは、あなたのアイデアを形にするための最強のパートナーになってくれます。
この記事が、あなたの個人開発の第一歩のきっかけになれば嬉しいです。



