
フリーランスエンジニアという働き方に興味はあるものの、「自分のスキルで通用するのか」「収入が不安定になったらどうしよう」と、なかなか一歩を踏み出せずにいませんか?
その気持ちは、痛いほど分かります。
僕自身、未経験でエンジニアに転職、それと同時にフリーランスとして独立した経験があります。
結論からお伝えすると、フリーランスエンジニアの市場は今まさに追い風です。
月額平均単価は74万〜82万円前後で推移しており、正しい準備と戦略さえあれば、会社員時代の年収を大きく上回ることも十分に可能です。
ただし、「なんとなく独立する」のは危険です。
甘い情報だけを鵜呑みにして飛び込むと、思わぬ落とし穴にはまることもあります。
この記事では、フリーランスエンジニア歴6年の僕が、市場データ・リアルな体験談・具体的な行動ステップをもとに、独立までのロードマップを本音で解説します。
読み終えたとき、「自分が今やるべきこと」が明確になっているはずです。
Contents
フリーランスエンジニア市場は「今」が追い風である理由
「今から参入しても遅いんじゃないか」、そう感じている方もいるかもしれません。
しかしデータを見る限り、フリーランスエンジニア市場はまだまだ拡大の途中です。
ITフリーランス市場は右肩上がりで成長中
2025年版 ITフリーランス市場調査レポートによると、フリーランス市場の規模は、2015年の7,199億円から2025年には1兆1,849億円へと、10年で約1.6倍に成長する見込みです。
さらに注目すべきは企業側の姿勢で、現在フリーランスを活用している企業の約60%が「今後さらに活用を増やしたい」と回答しています。
その理由は「特定スキルを持つ人材の確保」や「正社員採用の難航」があります。
つまり、企業がフリーランスに頼らざるを得ない状況が続いており、需要が供給を上回っている状態です。
「市場が飽和するのでは」という心配は、少なくとも今の段階では不要でしょう。
平均単価は月74万〜82万円|会社員との年収差は歴然
出典:2025年6月度 フリーランスエンジニア月額平均単価
ハイスキル層向けでは82.2万円というデータもあります。
出典:IT/Webフリーランスエンジニアの市場動向とAI活用状況
会社員エンジニアの平均年収は約550万円と言われ、差額は約340万円です。
エージェント経由の実績値でも、レバテックフリーランス利用者の平均年収が867万円、TechStock利用者が935万円と、会社員時代から大幅に上がるケースは珍しくありません。
もちろん全員がこの水準に届くわけではありません。
ただ、「正しいスキルと戦略があれば、会社員時代を大きく超えられる可能性がある」ことは、データが裏付けています。
需要が高いスキル・言語を押さえれば高単価を狙える
高単価を狙いやすい言語としては、Go、Kotlin、Ruby、Swift、Pythonが挙げられます。
特にGo言語はAI・クラウド分野で需要が急伸しており、最高単価240万円の実績も。
職種別では「クラウドエンジニア(41.2%)」が企業ニーズのトップで、AWSなどのインフラスキルは言語を問わず単価を押し上げる武器になります。
出典:2025年版 ITフリーランス市場調査レポート
一方で、「最新言語を覚えないとダメなのか」という不安は不要です。
JavaやPHPといった定番言語も案件数は圧倒的に多くあります。
つまり、今のスキルでも十分に戦えます。
そこにGoやクラウド、AI活用のスキルを積み上げれば、さらに高単価を狙えるポジションに移ることも可能です。
これが市場のリアルな姿です。
フリーランスエンジニアになるための条件|「実務経験3年」が分岐点
市場が追い風であることは分かったけど、今の自分でフリーランスになれるのか?
ここには、実務経験による分岐点があります。
なぜ「実務経験3年以上」が目安なのか
フリーランス案件の応募要件には「実務経験3年以上」と書かれているものが非常に多いです。
これには明確な理由があります。
結論から言うと、任される業務の違いによるものです。
経験1〜2年ではテスターや運用監視など下流工程が中心ですが、3年を超えると設計や要件定義といった上流工程に関われるようになります。
そして、企業がフリーランスに求めているのは「即戦力」です。
IT技術研修も先輩のフォローも基本的にありません。
ただし、その経験分だけ月額単価の相場に直結するのも事実です。
3年になると60〜65万円になり、5年で80万円以上と、3年を境に単価が大きく跳ね上がります。
経験1〜2年でも独立できる?現実的な戦略
「3年も待てない!」という方もいるでしょう。
実際、経験が浅くても不可能ではないですが、戦略は必要になります。
現実的なルートとしては、インフラ系の運用・保守・監視案件があります。
開発案件より参入ハードルが低く、実績を積みながらステップアップできます。
もうひとつ有効なのが、クラウドソーシング(クラウドワークスやランサーズなど)で小規模案件をこなしてポートフォリオを作ることです。
この実績があるとエージェント登録時の通過率が格段に上がります。
また、経験の浅いエンジニアへのサポートを打ち出しているエージェントも中には存在します。
「クラウドソーシングで実績を作ってからエージェントに登録する」という合わせ技が、経験が浅い方にとっては最も現実的な戦略でしょう。
エージェントの選び方については、以下の記事で詳しくまとめています。
独立前に身につけておきたいスキル・マインド
技術スキル以外で、独立前に押さえておくべきことがあります。
フリーランスには「使えないなら即切り」というシビアな現実が実際にあります。
僕が6年の経験で特に重要だと感じているのは、次の3つです。
① 自走力
- 分からないことを自分で調べて解決まで持っていく力
- 他の人から指示なくても自ら業務を進める力
「1から10まで指示待ち」の状態は、チームにとってのコスト(負債)になってしまいます。
また、指示がなくても業務を進められる力は、当事者意識を持って取り組んでくれる人材として評価されます。
企業は「手足」となる人ではなく「プロジェクトを前に進めてくれる人」を求めています。
② コミュニケーション力
要件のすり合わせ、進捗報告、問題発生時のアラートの上げ方など、コミュニケーションが必要な場面は多くあります。
技術力がいくら高くても、クライアントやチームメンバーとのやり取りができなければ契約更新には繋がりません。
③ 自己学習を続ける覚悟
研修制度はなく、技術力のキャッチアップはすべて自費・自分の時間で行います。
学びを投資と捉えられるかどうかが、長く続けられるかの分かれ道です。
技術力は大前提ですが、それだけでは生き残れません。
「自分で考え、自分で動き、自分で学ぶ」姿勢こそが、フリーランスとして最も身を守る武器になります。
フリーランスエンジニアのメリット・デメリット|経験者のリアルな本音
市場データや条件面を見てきましたが、「実際になってみてどうなのか」が気になるところだと思います。
ここでは、僕がフリーランスエンジニアとして6年間過ごして感じた、良かった点と厳しかった点を率直にお伝えします。
フリーランスになって実感したメリット
① 収入の天井が外れる
会社員時代は昇給を待つしかなかった収入が、スキルと案件次第で自分でコントロールできるようになります。
前章でも触れたとおり、月単価74万〜82万円という水準は会社員の年収を大きく上回る可能性があります。
②「どう働くか」を自分で選べる
フリーランスの本質的な自由は、「カフェで仕事ができる」ことではありません。
どの案件に参画するか、いくらで契約するか、いつ休むか、こうした意思決定を自分で握れることが最大の価値です。
③ 人間関係のストレスが減る
合わない上司や社内政治から距離を置けます。
もちろん現場でのコミュニケーションは必要ですが、「嫌なら次の現場を選べる」という選択肢があるだけで、精神的な余裕はまったく違います。
④ 経費による節税ができる
書籍代、PC、自宅の家賃の一部など、業務に関わる支出を経費として計上できます。
会社員にはない大きなメリットですが、正しく活用するには知識が必要です。
独立して初めて分かったデメリット
「手残り」は額面ほど増えない
これは僕が独立して最も衝撃を受けたポイントです。
額面の月単価が上がっても、所得税・住民税・国民健康保険・年金をすべて自分で支払うと、手元に残る金額は想像より少ないです。
会社員時代は会社が半分負担してくれていた社会保険料の重さを、独立して初めて実感しました。
収入が途切れるリスクは常にある
案件の契約終了は突然やってくるかもしれません。
「来月から仕事がない」という状況は、経験してみると結構シビアに考えるようになります。
この不安とどう付き合うかが、フリーランスを続けるうえでの最大の課題です。
社会的信用が下がる
ローンやクレジットカードの審査が通りにくくなるのは、フリーランスの宿命です。
住宅購入を考えている方は、独立前に審査を通しておくなどの対策が必要になります。
事務作業が地味に重い
確定申告、請求書発行、保険の手続きなど、開発以外の事務作業を全部自分でやる必要があります。
特に確定申告の時期は、開発の合間に帳簿と格闘する日々が続きます。
スキルが陳腐化するリスク
同じ案件に長くいると技術スタックが固定化され、市場価値が下がる可能性があります。
会社員のように研修や異動でスキルの幅が広がる仕組みはないため、自分で意識的にキャッチアップし続ける必要があります。
こんな人は向いている/向いていない
ここまで読んで、「自分にはどうなんだろう」と思った方もいるかもしれません。
僕の経験から、ざっくりとした目安をお伝えします。
フリーランスに向いている人
フリーランスに向いている人は、「自分でキャリアの舵を握りたい」という意志がある人です。
不安定さを受け入れたうえで、変化を楽しめるタイプ(自分で考え、自分で動けていけるタイプ)であれば、フリーランスは大きな可能性を開いてくれます。
会社員の方が向いている人
一方、会社員の方が力を発揮できる人もいます。
「安定した環境でじっくりスキルを伸ばしたい」「チームの中で役割を全うすることにやりがいを感じる」と考える人は、無理にフリーランスを目指す必要はありません。
どちらが上でも下でもなく、自分の性格や価値観に合った働き方を選ぶことが大切です。
なお、フリーランスの「お金」「働き方」「リスク」のリアルについては、以下の記事でさらに深掘りしています。
独立を本気で検討している方は、あわせて読んでおくことをおすすめします。
フリーランスエンジニアになるための5ステップ
ここからは、実際にフリーランスエンジニアになるための具体的な行動手順を5つのステップで解説します。
「何から始めればいいか分からない」という方は、この順番で進めてみてください。
ステップ1|自分の市場価値を把握する
最初にやるべきことは、「今のスキルでいくら稼げるのか」を知ることです。
独立する気がまだなくても構いません。
エージェントとの無料面談で、自分のスキルセットに対してどんな案件が紹介可能か、どの程度の単価が見込めるかを確認するだけで、キャリアの判断材料が大きく増えます。
市場価値診断を無料提供しているサービスもあるので、まずは「現在地の把握」から始めてみてください。
ここで想定より低い結果が出たなら、独立前にスキルを補強すべきポイントが明確になります。それだけでも十分な収穫です。
ステップ2|副業・週末案件で実績を作る
いきなり退職するのはリスクが大きいことだと思います。
だからこそ、会社員を続けながら小さく始めるのが現実的です。
例えば、クラウドワークステックは週2〜3日の案件が豊富で、エンド直請けのため単価も高め。副業や並行稼働との相性が良いサービスです。
まだエージェント経由が難しいスキルレベルであれば、クラウドワークスやランサーズで小規模案件をこなしてポートフォリオを作るところからスタートしましょう。
「副業で実績を積んでからエージェントに登録する」という流れが、最もリスクの低い独立ルートです。
ステップ3|開業届・保険・税金まわりを整える
独立を決めたら、事務まわりの準備を進めます。
会社員時代は会社がやってくれていたことを、すべて自分で対応する必要があります。
最低限押さえておくべきは以下の3点です。
- 開業届と青色申告の申請
- 健康保険と年金の切り替え
- 老後資金の自己準備
青色申告を行えば最大65万円の所得控除が受けられます。
節税効果が非常に大きいので、独立と同時に提出しておきましょう。
会社の社会保険から国民健康保険・国民年金への切り替え手続きが必要です。
退職後14日以内に行う必要があるため、事前にスケジュールを把握しておくことが大切です。
フリーランスには厚生年金も退職金もありません。
小規模企業共済やiDeCo(個人型確定拠出年金)を活用して、自分で備える仕組みを早めに整えておきましょう。
ステップ4|エージェントを活用して案件を獲得する
フリーランスエンジニアにとって、エージェントは生命線です。
エージェントが提供してくれるのは、単なる案件紹介だけではありません。
営業代行、単価交渉、契約手続き、請求・入金管理の代行、さらには健康診断や税理士紹介といった福利厚生まで。開発に集中できる環境を丸ごと整えてくれる存在です。
そして、複数登録は鉄則です。
フリーランス白書によると、エージェント利用者の半数以上が3社以上を併用しています。
複数登録することで案件の選択肢が広がり、自分の適正単価を客観的に比較できるようになります。
エージェントの選び方は「目的別」で考えるのがポイントです。
高単価を狙うのか、リモートや柔軟な稼働を重視するのか、独立支援の手厚さを求めるのか。自分の優先順位に合ったサービスを選ぶことで、フリーランス生活の安定度が大きく変わります。
僕自身、6年間で複数のエージェントを使ってきた経験から、本当におすすめできるサービスを以下の記事で厳選しています。
エージェント選びで後悔したくない方は、ぜひ参考にしてみてください。
ステップ5|独立後も「安定」を作り続ける仕組み
独立はゴールではなく、スタートです。
フリーランスとして長く安定して稼ぎ続けるには、意識的に「仕組み」を作る必要があります。
契約更新率を高める
納期厳守、即レス、丁寧な報連相。特別なことではなく、当たり前のことを徹底するだけで、現場からの信頼は着実に積み上がります。
トラブル時に誠実に対応できるかどうかも、更新を左右する大きなポイントです。
案件を途切れさせない
エージェントは契約満了の1ヶ月前頃から次の案件を提案してくれます。
この仕組みを活用し、空白期間を作らない動きを習慣にしましょう。
スキルへの投資を止めない
IT技術の変化は速く、同じ案件に長くいると技術スタックが固定化されるリスクがあります。
書籍やUdemy、カンファレンスなどで継続的に学び続けることが大切です。
特にGo、Rustなどの需要が高い言語や、AI・クラウド(AWS等)のスキルは単価アップに直結します。
学習費用は経費にもなるので、投資と割り切って積極的に使いましょう。
よくある質問(FAQ)
最後に、フリーランスエンジニアを目指すうえでよく寄せられる質問にまとめてお答えします。
Q:未経験(エンジニア実務なし)からフリーランスエンジニアになれますか?
結論から言うと、かなり厳しいです。
フリーランスエージェントの案件はほぼすべてが経験者を対象としており、実務経験1年未満では紹介してもらえないケースが大半です。
企業がフリーランスに求めているのは「即戦力」であり、教育コストをかけてまで未経験者を採用するメリットがないためです。
最も確実なルートは、まず未経験可の正社員(SESや受託開発企業など)として就職し、最低1年、できれば2〜3年の実務経験を積んでから独立することです。
遠回りに見えますが、結果的にこれが最短の近道になります。
どうしてもすぐに始めたい場合は、クラウドワークスやランサーズなどのクラウドソーシングで低単価・小規模な案件から実績を作る方法もあります。
ただし、安定した収入を得られるまでには相当な時間がかかることは覚悟しておきましょう。
Q:フリーランスエンジニアに年齢制限はありますか?
明確な年齢制限はありません。
会社員と違ってフリーランスには定年がなく、スキルと健康がある限り何歳でも働き続けられます。
市場のボリュームゾーンは30代〜40代ですが、20代でもポテンシャルで活躍するケースは増えていますし、40代以降も専門スキルや豊富な経験があれば需要は十分にあります。
ただし、年代によって戦略は変わります。
40代〜60代に特化したエージェント「SEES」のように、ミドル・シニア層を支援するサービスも存在するので、自分の年齢に合った案件獲得ルートを選ぶことが大切です。
Q:営業が苦手でも案件は獲得できますか?
エージェントを活用すれば、自力での営業はほぼ不要です。
フリーランスエージェントは、希望条件を伝えるだけで案件の提案から商談のセッティング、単価交渉までを代行してくれます。個人では言い出しにくい報酬アップの交渉も、エージェントが間に入って行ってくれるため、営業が苦手な人ほど利用メリットが大きいサービスです。
「営業力がないとフリーランスは無理」と思い込んでいる方は多いですが、実際には営業をプロにアウトソーシングするという選択肢があります。
Q:フリーランスと派遣エンジニアの違いは何ですか?
最も大きな違いは「契約形態」と「守られ方」です。
フリーランスエンジニア
フリーランスは企業と業務委託契約を結ぶ個人事業主です。
労働基準法の適用外となるため、有給休暇や社会保険といった保護はありません。
ですが、その代わり案件単価が高く、収入の上限もありません。
派遣エンジニア
派遣エンジニアは派遣会社と雇用契約を結ぶ労働者です。
労働基準法に守られ、有給休暇や社会保険が適用されます。
収入はフリーランスより低めになる傾向がありますが、待機期間中にも給与が出る場合があるなど、雇用ならではの安定感があります。
- リスクをとって高収入と自由度を求めるならフリーランス
- 安定と法的保護を重視するなら派遣
まとめ:フリーランスエンジニアを目指すなら、「まず知ること」から始めよう
ここまで、フリーランスエンジニアを目指すために知っておくべきことを一通りお伝えしてきました。
- 市場は拡大を続けており、企業の6割がフリーランス活用を増やしたいと考えている。
- 月単価74万〜82万円という水準は、会社員時代の年収を大きく超える可能性を示している。
- 一方で、収入の不安定さや社会的信用の低下、事務負担といった現実もある。
大切なのは、これらを正しく理解したうえで「自分にとっての正解」を判断することです。
フリーランスは万人向けの働き方ではありません。
しかし、自分のスキルで市場と向き合い、キャリアの舵を自分で握る経験は、たとえ将来会社員に戻ることがあったとしても、必ず大きな財産になります。
最初の一歩は、いきなり退職することではありません。
エージェントに相談して自分の市場価値を確認する、副業で小さく始めてみる。それだけでも十分です。
「自分のスキルで、いくら稼げるのか。」
その答えを知るだけでも、今後のキャリアの見え方は大きく変わるはずです。



