- フリーランスエンジニアが経費にできるものとは?
- 経費計上の仕方がわかりにくい!
- 経費の注意点ってあるの?
この記事で解説していきます。
フリーランスエンジニアが使う経費とは
経費とは
経費とは経常費用の略称で、事業のために支払った費用を指します。
事業のために使用したお金という点が重要で、プライベートで使用したお金は経費にはなりません。
プライベートによる生活費と事業費が混在している費用を、事業のために使用した分だけ経費として算出する「家事按分」を使用することも可能です。
フリーランスエンジニアが主に使う経費
フリーランスエンジニアが主に使う経費の勘定科目を紹介しますので、仕訳の参考にしてみてください。
勘定科目 | 内容 | 例 |
---|---|---|
地代家賃 | 家賃、駐車場、礼金 | 事務所として借りている部屋の家賃 |
損害保険料 | 火災保険、事業保険 | 賃貸の火災保険 |
水道光熱費 | 水道、ガス、電気代 | PC・プリンターなどに使う電気料金 |
通信費 | インターネット、携帯電話 | インターネット利用料、携帯電話利用料 |
旅費交通費 | 電車代、新幹線代、コインパーキング代 | 客先などに移動した際の運賃や駐車場代 |
消耗品費 | 備品代 | プリンターのインク代・用紙代 数千円程度のキーボードやマウス |
雑費 | 他の勘定科目に該当しない費用、一時的な少額支出 | 事業のために利用したカフェなどのコーヒー代 |
経費計上に注意が必要なこと
家事按分
家事按分とは、プライベートによる生活費と事業費が混在している費用を、事業のために使用した分を算出する方法です。
事業のために使用した割合は、利用時間や場所面積などで各自定めることになります。
・100%事業用のために部屋を借りているならば、家賃を全額経費として計上することが可能
・自宅兼事務所として部屋を借りているならば、事業のために使用した割合のみを経費として計上すること可能
経費を多く上げているのでは?などと税務署側からの印象もあまり良くないと思われます。
例)家賃の家事按分
僕の場合、家賃の家事按分(事業に使われる割合)を35%に設定しています。
時間で事業に使用する割合を以下のように定めています。
休日:平均5時間
事業で使用する割合:60時間/週 ÷ 168時間/週(24時間×7日) ≒ 35%
賃貸(自宅兼事務所として使用)契約時
敷金
敷金を「事業のお金」から支払った場合は以下のように計上します。
退去時など、敷金が返還された時に、修繕費が差し引かれた場合に事業で使用した分を経費とします。
※「個人のお金」で支払った場合は、経費計上は不要です。
【仕訳例】敷金300,000円が修繕費(50,000円)を差し引かれて普通預金へ入金された場合
※自宅兼事務所の場合(事業割合:35%)
取引内容 | 借方 | 貸方 |
---|---|---|
敷金を支払った | 敷金 300,000 | 普通預金 300,000 |
敷金が返還された | 普通預金 195,000 | 敷金 195,000 |
修繕費(事業使用分) | 修繕費 17,500 | 敷金 17,500 |
修繕費(家事使用分) | 事業主貸 32,500 | 敷金 32,500 |
礼金
礼金は、20万円未満の場合であれば「地代家賃」として経費計上できます。
ただし、礼金が20万円以上になる場合は、繰延資産として一定期間にわたって経費化する必要があります。
【仕訳例】礼金100,000円を支払った場合
※自宅兼事務所の場合(事業割合:35%)
取引内容 | 借方 | 貸方 |
---|---|---|
礼金を支払った(事業使用分) | 地代家賃 35,000 | 普通預金 35,000 |
仲介手数料
不動産業者に支払う仲介手数料は、「支払手数料」として経費計上できます。
【仕訳例】仲介手数料100,000円を支払った場合
※自宅兼事務所の場合(事業割合:35%)
取引内容 | 借方 | 貸方 |
---|---|---|
仲介手数料を支払った(事業使用分) | 支払手数料 35,000 | 普通預金 35,000 |
鍵交換費用
鍵交換費用も、「消耗品費」「修繕費」として経費計上できます。
【仕訳例】鍵交換費用30,000円を支払った場合
※自宅兼事務所の場合(事業割合:35%)
取引内容 | 借方 | 貸方 |
---|---|---|
鍵交換費用を支払った(事業使用分) | 消耗品費 10,500 | 普通預金 10,500 |
火災保険料
火災保険料は「保険料」「損害保険料」として経費にできます。
ただし、契約期間が2年以上の場合は、「(長期)前払費用」として処理します。
火災保険料も、自宅兼事務所の場合に、家事按分の割合で経費にすることもできます。
【仕訳例】2年契約の火災保険料30,000円を10月に支払った場合
<支払った年(当期)の経費>
当期の契約月数は、10〜12月の3ヶ月になります。
火災保険料を月数で割ると、30,000円÷24ヶ月(12ヶ月×2年)=1,250円
当期の保険料:1,250円×3ヶ月=3,750円
翌期以降分の保険料は、前払費用として資産計上されます。
翌期以降分の保険料:30,000円ー3,750円=26,250円
①②を踏まえると、以下の仕訳になります。
取引内容 | 借方 | 貸方 |
---|---|---|
2年契約の火災保険料を10月に支払った | 保険料 30,000 | 普通預金 30,000 |
前払費用 26,520 |
<翌年の決算期>
前払費用を取り崩し、1年分の火災保険料に充てていきます。
取引内容 | 借方 | 貸方 |
---|---|---|
1年分の火災保険料を計上した | 保険料 15,000 | 前払費用 15,000 |
<契約満了時>
残りの前払費用を、残り期間分の火災保険料に充てていきます。
➡︎1~9月までの9ヶ月分の保険料:1,250円×9ヶ月=11,250円
取引内容 | 借方 | 貸方 |
---|---|---|
残りの火災保険料を計上した | 保険料 11,520 | 前払費用 11,520 |
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