【働き方を考える】会社員とフリーランスの違いとメリット・デメリットを整理

【働き方を考える】会社員とフリーランスの違いとメリット・デメリットを整理 ライフ
  • 会社員とフリーランスはどっちがいいのだろう?
  • フリーランスは会社員とどのように違うの?
  • フリーランスになりたいけど不安がある

この記事で解説していきます。

本記事の内容

  • 会社員とフリーランスの違い
  • 会社員とフリーランスのメリット・デメリット



この記事を書いている僕は、2020年から会社員を辞めてフリーランスエンジニアとして仕事をしています。
会社員とフリーランスの違いについて、どちらも経験した立場からメリット・デメリットも合わせて解説していきます。

今後フリーランスになる方だけでなく、現在フリーランスとして働いている方にも参考にしていただけることがあれば幸いです。

会社員とフリーランスの違い

会社員 フリーランス
収入 ・収入の安定性がある
・収入が上がりにくい
・収入アップしやすい
・収入が不安定になりやすい
税金 ・会社が年末調整で申告する
・給与から天引きされる
・健康保険料と厚生年金保険料は労使折半
・自分で確定申告する必要がある
・自分で納税する必要がある
・消費税や個人事業税がかかる場合がある
社会保障 ・国民年金&厚生年金の両方に加入
・健康保険(全国健康保険協会等)に加入
・労働保険(雇用保険と労災保険)に加入
・国民年金のみ加入
・国民健康保険に加入
・労働保険の加入はできない

収入

会社員は安定性重視、フリーランスは収入アップの可能性重視

会社員は、基本的に月給・ボーナス制や年俸制などで、毎月一定の給与が保証されています。
給与は、昇給やボーナス査定の影響にもよりますが、固定されており著しい給与アップは見込みにくい傾向です。

一方で、フリーランスの収入は、スキル次第で収入アップを目指すことができます。
案件ごとに報酬が支払われ、仕事の内容や数によって大きく変動します。会社員時代の2〜3倍の収入を得られる可能性も大きくあります。
逆に、何も契約が無い場合は収入0円になってしまいます。

フリーランスは、会社員のように給与の保証はありませんが、自分の努力次第で収入を大幅に増やすことが可能です。

税金

会社員は会社で手続きしてくれる、フリーランスは自身で手続き&支払が必要

会社員の税金については、基本的に会社が年末調整にて手続きをしてくれます。
所得税や住民税などの税金支払分が毎月の給与から天引きされます。
給与総額からその税金分が引かれて、手取りが従業員の口座に入金される仕組みになります。

年末調整とは、年末に所得税の計算をして納税を完了する仕組みのことを言います。
個人で支払った保険料や扶養家族の増減などの控除を含めて、年末に正確な所得税額を調整します。

また、会社員の場合は、健康保険、厚生年金保険、介護保険(40歳以上65歳未満の場合)の3つの保険は労使折半(会社と社員で半分ずつ負担すること)になります。
会社員は加入する保険が多いですが、会社が半分負担してくれるために保険料の負担が大幅に増えない仕組みになっています。

一方で。フリーランスの場合は、自分自身で確定申告を行い、税金や保険料を自ら支払う必要があります。
事業で売り上げた収入から自分で税金を納めなければならないため、納税については必然と意識するようになります。
会社員の時とは年金や健康保険料の種類・負担額が異なり、すべて自己負担になるため「税金が高い」と感じやすくなります。

また、場合により消費税・個人事業税がかかる可能性もあります。

消費税は、課税事業者の場合に納税義務が発生します。

2023年のインボイス制度導入により、免税事業者から課税事業者になった場合には2割特例(納税する消費税額を売上税額の2割に軽減する特例)という一定期間の軽減措置を受けることができます。
個人事業税は、法律で定められた70の業種に該当し、前年度の所得が290万円を超える個人事業主やフリーランスが納める地方税の一つです。
法律で定められた70の業種は各都道府県のホームページなどをご確認ください。
参考:東京都主税局 個人事業税

社会保障

会社員の社会保障は手厚い、フリーランスは自身での対策も必要

会社員は、国民年金と厚生年金の両方健康保険全国健康保険協会(協会けんぽ)等の健康保険に加入することになります。

健康保険と国民健康保険との主な違い
※国民健康保険では下記手当金を受け取ることができません。
・傷病手当金:会社員は病気やケガで働けない場合、最大540日間、給与の約2/3を受け取れます。
・出産手当金:女性の会社員は産前産後98日間、給与の約2/3を受け取れます。

会社員は、労働保険(雇用保険と労災保険)に原則加入します。
労働保険の保障では、以下の例のような給付金を受け取ることができます。

・失業給付:失業時に受け取ることができる給付金
・育児・介護休業給付:育児や介護で休業した際の給付金
・労災保険:業務中の災害で治療・休業した際の給付金

フリーランスは労働保険に加入することはできません

ただし、令和6年11月からフリーランスも労災保険「特別加入」の対象になる制度が始まります。
仕事や通勤などでのケガ・病気など、会社員の労災保険と同様の補償を得られる仕組みの労災保険です。
保険料は自己負担する必要があります。

詳しくは厚生労働省のホームページをご確認ください。

一方で、フリーランスは国民年金のみの加入となり、厚生年金には加入することができません。
健康保険は、基本的に国民健康保険に加入することになります。
条件によっては、任意継続(退職後の2年間限定で会社員の時に加入していた健康保険を任意で継続する)業種による国民健康保険組合への加入も選ぶことが可能です。

社会保障の差を補う対策を!

フリーランスは、会社員に比べて社会保障の差があるのが実状です。
その差を補うためにも以下のような対策が必要になるでしょう。

  • 生命保険や就業不能保険などの掛け捨て保険に加入する
  • 貯金や生活防衛資金などの予備資金を蓄えておく
  • NISA、iDeCo、国民年金基金などを活用した老後資金を用意する
会社員とフリーランスの違い

会社員とフリーランスのメリット・デメリット

会社員とフリーランスの違いについて、メリット・デメリットをまとめました。

会社員のメリット・デメリット

会社員のメリット
  • 安定した収入と仕事がある
  • 社会的信用が高い
  • 社会保障が充実している
  • 福利厚生が受けられる
会社員のデメリット
  • 大幅な収入アップは難しい
  • 好きな仕事を選べない
  • 働く時間や場所が決められている
  • 人間関係でのストレスが多い

会社員のメリット

会社員は、収入と仕事が安定しており、よほどの理由が無い限りは雇用が守られています。
社会保障や会社による福利厚生が充実していることで、ケガ・病気や育児などで休業する場合や老後の年金についても、フリーランスに比べてしっかりとした保障が受けられます。

こうした安定性がある会社員は、世間的にも社会的信用が高いとされています。
「会社規模が大きい」「勤続年数が長い」ほど、社会的信用は高くなる傾向にあります。

会社員のデメリット

会社員での大幅な収入アップは難しいイメージがあります。
会社内での昇進や昇給も収入アップにはつながりますが、毎年給料が上がる可能性は低いです。

基本的に会社から仕事が振られるため、自分が好きな仕事だけすることはできません
働く場所も出勤時間・勤務時間も会社により制約されます。場合によっては出張や転勤も考えられます。

また、職場の上司や同僚との人間関係の問題に直面することもあり得ます。
会社員は一緒に働く人を選ぶことはできないため、ストレスを受けるリスクも考えられます。

こうした会社員のデメリットを感じて、世間には転職や独立をする人も多くいるでしょう。
僕自身も、会社員時代に将来的な収入の不安や自分のやりたい仕事を考え、転職に至った経緯があります。

フリーランスのメリット・デメリット

フリーランスのメリット
  • 収入やスキルを上げることができる
  • 好きな仕事を選べる
  • 働く場所や時間を自由に選べる
  • 人間関係でのストレスが少ない
  • 事業にかかる支出を経費にできる
フリーランスのデメリット
  • 収入や仕事が不安定になりやすい
  • 社会的信用が低い
  • 社会保障が少ない
  • 自己責任が大きい
  • 事務作業や手続きなどの必要な対応が多い

フリーランスのメリット

フリーランスは、自分次第で収入やスキルを上げることができます。
スキル・経験を積み上げることで、案件依頼が増えたり、報酬の高い案件を受ける可能性があります。

自分の好きな仕事や得意な仕事に特化することもできます。
自宅やカフェなど、自分の好きな場所で仕事をすることも可能です。
やりがいを感じながら仕事に取り組むことができ、モチベーションにもつながります。

フリーランスは仕事を自分で見つけるため、一緒に働く人も選べることもできます。
自分にとって成長できる人と一緒に仕事し、より多くのスキルを学ぶことができる環境も可能になります。

また、事業にかかる支出を経費にすることができます。
経費を計上することで課税対象となる所得金額を減らすことができ、節税効果が得られます。

フリーランスの税金は、収入から経費を引いた所得に基づいて課税されます。
経費としては「事務作業用のパソコン購入代」「現場に行くまでの交通費」「自宅の一部を仕事場として使用する場合の家賃」などを計上することができます。

ただし事業のために使用した費用に限られるため、適切に経費計上する必要があります。

フリーランスのデメリット

フリーランスの最大のデメリットは、収入や仕事が不安定になりやすいことです。
継続して契約できるクライアントを見つける」「複数の案件を獲得する」などで仕事が途絶えるリスクを減らす必要があります。

収入や仕事が不安定な面から、フリーランスは会社員に比べて社会的信用が低いと言われます。
正確に確定申告を数年以上行い、預金などの資産を蓄えていくことでフリーランスでも社会的信用は高くなります。

会社員とは反対に、フリーランスは社会保障や福利厚生が充実していないため、ケガ・病気などでの休業時の収入減少や老後の年金受給が少なくなるリスクについて個人で備える必要があります。

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フリーランスは、仕事の成果や成果物の品質に対して、自己責任を負う必要があります。
確定申告や税金の支払いについての義務に対する責任も必要になります。
そうした事務作業や手続きを自分自身で行う必要があり、時間や労力も要することもデメリットと言えるでしょう。

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まとめ

会社員とフリーランスには多くの違いがあり、それぞれのメリット・デメリットがあります。
一度フリーランスになったけど、また会社員に戻ったという人もたくさんいます。

この機会に、自分が理想とする働き方について考えてみることも良いと思います。
改めて、会社員とフリーランスの違いを理解した上で人生の選択を検討してみてください。