
- 説明したつもりなのに伝わってない…
- 会議で質問されて固まってしまう…
エンジニアは「優れたコードを書けば、それだけで評価される」という時代ではなくなりました。
現代のエンジニアに求められているのは、技術力と同じくらい重要な「コミュニケーション力」です。
僕自身も、非常に役立つシステムの価値を上手く伝えられず、悔しい思いをしたことがあります。技術力があっても、コミュニケーション力が不足していると、その価値は相手に届きません。
本記事では、実際にフリーランスエンジニア経験で培ったコミュニケーション力を、明日から実践できる具体的なテクニックとして解説します。
Contents
エンジニアが抱えるコミュニケーションの悩み
「技術力があれば十分」は通用しない現実
多くのエンジニアが直面するコミュニケーションの課題
- 説明したつもりなのに伝わってない
- 会議で質問されて固まってしまう
- クライアントに技術的価値が伝わらない
- 「もっと簡単に説明して」と言われる
これらの悩みを、実は多くのエンジニアが経験しています。
実体験:素晴らしいシステムの価値を伝えられなかったこと
システムの仕組みやデータベース構造を詳しく説明したはずなのに、クライアントから「結局何ができるの?」と聞き返されたこともありました。
技術的詳細ばかり話して、相手が本当に知りたい「メリット」を伝えていませんでした。
会議で「それって何?」と聞かれて頭が真っ白に
「リファクタリングが完了しました」と報告したら、営業チームから「リファクタリングって何ですか?」という質問が飛んできたこともありました。
適切な説明ができず、会議の空気が少し悪くなってしまった経験もあります。
専門用語を使う前に、日常的な例えで説明することの重要性
エンジニア特有のコミュニケーションの壁
1. 専門用語の壁:当たり前の言葉が「暗号」に
「API」「スケーラビリティ」「リファクタリング」という言葉を聞いて、私たちエンジニアはイメージが湧きます。しかし、非エンジニアにとっては、暗号のように聞こえることがあります。
私たちにとっては当たり前の技術用語も、相手には理解不能な専門用語なのです。この壁を乗り越えるには、技術用語を日常語に置き換える練習が必要になります。
- API➡︎システム同士の連携窓口
- スケーラビリティ➡︎利用者が増えても対応できる拡張性
- リファクタリング➡︎コードの整理整頓でシステムを安定化
2. 説明の壁:「どう動くか」より「何が変わるか」
- 検索が何倍速くなるか
- ユーザーの待ち時間がどれだけ減るか
- ビジネス的にどんなメリットがあるか
クライアントや非エンジニアが求めているのは「システムがどう動くか」ではなく「それで何が変わるか」です。
このギャップを埋めるには、技術的な説明の前に、ビジネス的な価値を明確に示す必要があります。
相手の立場に立って、何が一番重要なのかを考える習慣が大切です。
3. 時間の壁:技術詳細を省くことへの罪悪感
会議の時間が限られている中で、すべての技術詳細を説明するのは不可能です。
重要なのは、相手が理解しやすいレベルで、必要最小限の情報を提供することです。
- 「詳細は後で共有します」と約束する
- 興味がある人には個別説明の時間を設ける
- 相手の理解度に合わせたレベルで説明する
完璧な説明を目指すのではなく、相手の理解度に合わせた適切なレベルの説明を心がけることが、エンジニアのコミュニケーション力を向上させる鍵になります。
失敗から学んだ改善ストーリー
営業チームとの会議で「通じない」を「通じる」に変えた方法
改善のポイント
- 相手の立場で考える
- 営業チーム → お客様のメリット、競合優位性を知りたい
- 技術詳細 → 最後の裏付けとして説明
- 説明の順序を変更
- 図解化の活用
- 複雑なシステム構成も図にすると理解しやすい
- 視覚化の力は絶大
❌ 技術詳細 → 仕組み → 効果
⭕ 課題 → 解決方法 → 技術的裏付け
クライアント案件獲得に向けた事例
技術的な提案がうまく伝わらず、もどかしさを感じた経験から「クライアントの言葉で話す」ことを意識するようになった。
【改善前】
技術仕様 → 実装方法 → 期待効果
【改善後】
現状課題 → 解決後メリット(数値化) → 技術的実現方法
案件獲得成功、クライアントから「分かりやすい説明」と評価されるようになった。
【即実践】非技術者への説明テクニック
3ステップ説明法:結論→メリット→具体例
- 結論:何ができるか
- メリット:なぜ良いのか
- 具体例:実際の効果
「ElasticSearchを導入してインデックスベース検索を実装し、レイテンシーを改善します」
「検索機能を10倍速くできます(結論)。お客様の待ち時間が減り、満足度が向上します(メリット)。現在3秒の検索が0.3秒で完了します(具体例)」
技術用語→日常語変換
技術用語を日常語に置き換えるコツは、相手が知っている身近なものに例えることです。
技術用語 | 日常語変換 | 簡単な説明 |
---|---|---|
バグ | システムの不具合 | 予期しない動作の原因 |
サーバー | 専用コンピュータ | データを保管・処理する装置 |
キャッシュ | 手元保存の仕組み | よく使うデータを近くに置いておく |
バックアップ | データの複製保存 | 万が一に備えた安全対策 |
会議での実用フレーズ集
「この改善により、具体的に○○が変わります。例えば、現在の○○が○○になります」
「現在の状況を整理すると、○○という課題があります。これを解決するために、○○という方法を提案します」
「確かに○○というメリットがありますが、一方で○○というリスクも考えられます。代替案として○○はいかがでしょうか」
図解活用のポイント
言葉だけでは伝わりにくい技術的な内容も、図解を使うことで格段に理解しやすくなります。
- プロセス説明 → フローチャート
- システム構成 → アーキテクチャ図
- 比較検討 → 表形式
- 概念説明 → マインドマップ
- Cacoo、Mermaid(コードで図を作成)
- Draw.io(直感的な操作)
- PowerPoint(プレゼン資料作成)
コミュニケーション改善の実践ステップ
初心者レベル:明日から始められる3つの習慣
習慣1:技術用語を1つだけ日常語に置き換える
- 毎日1つの技術用語を選択
- 非エンジニア向けの言葉に変換
- 完璧を目指さず、継続を重視
習慣2:説明前に「結論」を意識する
- 「これから何について話すか」を一言で表現
- 技術詳細より先に結論を伝える
- 聞き手の理解度向上を実感
習慣3:相手の反応を観察する
- 説明中の表情や反応をチェック
- 理解していない様子なら具体例を追加
- 観察力がコミュニケーション調整の鍵
中級者レベル:週1回の振り返りでレベルアップ
- 成功コミュニケーションの記録
- うまく伝わった場面の分析
- 成功要因の特定と再現性の向上
- 改善点の特定
- 時間オーバーや説明の長期化
- 次回への具体的な改善策
- 週間目標の設定
- 測定可能な具体的目標
- 「説明時間3分以内」「図解1つ追加」など
上級者レベル:チーム全体の改善をリード
- 1on1でのヒアリング:メンバーの課題把握
- 改善ワークショップ:月1回のスキル向上セッション
- 成功事例の横展開:チーム全体への波及効果
よくある悩みと解決策
Q1: 完璧なコミュニケーションは難しい!
A: 完璧を目指す必要はありません
- 1日1つの小さな改善で十分
- 昨日より少しだけ良くなることを意識
- 3ヶ月継続すれば大きな変化を実感
Q2: コミュニケーションと技術力は関係ないのでは?
A: 逆に技術力がより活かされます
- 説明するために技術理解が深まる
- チーム内の技術共有が活発化
- 技術力×コミュニケーション力で相乗効果
Q3: コミュニケーションで失敗したらどうしよう
A: 失敗は成長のチャンス
- コードのバグ修正と同じアプローチ
- 失敗から学び、次回に活かす
- 周りも成長を応援してくれる
Q4: コミュニケーション改善のための時間がない
A: 1日5分から始められます
隙間時間を活用することも可能です。
- 通勤時間:説明フレーズを1つ考える
- 昼休み:同僚と技術話題を話す
- 週末30分:週間振り返り
今日から始められる習慣化
即実践:3つの小さな習慣
- 1つの専門用語を日常語で表現
- 完璧でなくても継続が重要
- 説明前に「これで何が変わる?」と自問
- メリットを先に伝える習慣化
- 表情や反応を意識的にチェック
- 理解度に応じた説明調整
まとめ
技術力×コミュニケーション力で新しい強みを
エンジニアのコミュニケーション力向上は、決して技術力を犠牲にするものではありません。むしろ、技術力をより効果的に活かすための必須スキルになります。
本記事の重要ポイント
- 専門用語の日常語変換で理解度大幅向上
- 3ステップ説明法(結論→メリット→具体例)で伝達力強化
- 小さな改善の継続が大きな変化を生む
- 失敗を恐れない姿勢が成長を加速
- 個人改善がチーム全体に波及する好循環
コミュニケーション改善は、一朝一夕には身につきませんが、継続的な取り組みで確実に変化を実感できます。
技術力×コミュニケーション力の組み合わせで、エンジニアとしての新しい強みを作り上げましょう。
あなたのペースで、無理なく始めてみてください。3ヶ月後には、必ず大きな変化を実感できるはずです。