【屋号付き口座は不要だった】フリーランス事業用口座の選び方

お金・税金・社会保険(手取り設計)
  • 銀行口座は事業用と個人用で分けた方がいい?
  • 個人事業主におすすめの銀行口座は?
  • 屋号付き口座って作るべきなの?

結論から言うと、事業用の口座は分けたほうがいいです。入出金の流れが分かりやすくなり、確定申告のときの負担がまるで違います。

ただし、「屋号付き口座」や「ビジネス口座」まで用意する必要は必ずしもありません

僕は営業から未経験でエンジニアとして独立し、2020年からフリーランスとして6年活動しました(2026年からは会社員エンジニアとして働いています)。
その6年間、事業用に使っていたのはPayPay銀行の「普通口座」1つだけです。屋号付き口座も一度は開設しましたが、使い所がなく、すぐに解約しました。

この記事では、実際に6年使ってみた結論として、口座を分ける意味・どこまで用意すれば十分かを正直にお話しします。

この記事の結論
  • 事業用とプライベート用の口座は分けたほうがいい(確定申告がラクになる)
  • ただし屋号付き口座は必須ではない。僕は開設したが使い所がなく解約した
  • 実際に6年使ったのはPayPay銀行の普通口座。手数料の安さと無料回数に助けられた
  • 会計ソフトに連携できるかどうかが、口座選びで一番効いてくる

フリーランスが事業用の銀行口座を分けるメリット

お金の管理がしやすくなる

事業用とプライベート用の口座を分けることで、事業に関するお金の流れが把握しやすくなります。取引先からの入金や経費の支払いが事業用口座に集約されるためです。

口座を分けていないと、取引先からの入金がプライベートの入出金履歴に紛れてしまい、入金確認が煩雑になります。入出金履歴が事業に限られるだけでも、管理の手間は大きく減ります。

確定申告の準備がラクになる

口座を分ける一番のメリットは、確定申告の作業負担が減ることです。

特に青色申告で65万円の特別控除を受けるには貸借対照表の作成が必要ですが、プライベートの収支と混ざっていないだけで、帳簿付けの手間が大幅に変わります。

会計ソフトとの連携で集計が自動になる

個人的に、口座を分けて一番よかったと感じたのはここです。

クラウド型の会計ソフトと事業用口座を連携させると、取引履歴が自動で取り込まれます。僕はマネーフォワードを使っていましたが、売上の集計にかかる手間が明らかに減りました。手入力していたら、毎月それなりの時間を取られていたはずです。

なお、連携できる金融機関は会計ソフトによって異なります。口座を選ぶときは「その会計ソフトと連携できるか」を先に確認しておくと安心です。

どの会計ソフトを使うか決めていない方は、freee・マネーフォワード・弥生を実際に使い比べた会計ソフト比較で、エンジニア視点の違いを解説しています。

【6年使い分けた結論】フリーランスの会計ソフト比較3選

【実体験】6年使った結論:PayPay銀行の「普通口座」で十分だった

ここからは、僕が実際にどう運用していたかをお話しします。

選んだのはPayPay銀行の普通口座(ビジネス口座ではない)

6年間、事業用に使っていたのはPayPay銀行の普通口座です。ビジネス口座でも、屋号付き口座でもありません。個人名義の普通口座を、事業専用として1つ用意しただけです。

一人でやっているフリーランスエンジニアであれば、これで十分に回りました。

なお、僕はドコモSMTBネット銀行(旧・住信SBIネット銀行)と楽天銀行の口座も持っていますが、こちらは個人用として使っています。この2行が事業用に向かないわけではなく、たまたま僕の場合はPayPay銀行を事業用にした、というだけです。それぞれの特徴は後半で比較します。

よかったこと:手数料の安さと無料回数

助かったのは、やはり手数料まわりです。

  • 振込手数料の無料回数が付いてくる
  • 無料回数を超えても、手数料自体が安い

事業用口座は、入金の受け取りだけでなく、生活費用の口座への振替などでも動かします。その都度手数料がかかると地味に効いてくるので、ここが安いことの恩恵は6年を通して感じていました。

不便だったこと:特になし

正直に言うと、不便を感じた場面はありませんでした

ネットバンキングでいつでも残高と入出金を確認でき、会計ソフトにも連携できる。フリーランスエンジニアが事業用口座に求めるものは、基本的にこの2つで足ります。

屋号付き口座は開設したが、すぐ解約した

これは正直にお伝えしておきたい点です。

屋号付き口座(口座名義に事業の名称が入る口座)も、一度は開設してみました。「取引先からの信頼を得やすい」と言われることが多いからです。

ですが、僕の場合は使い所が特になく、すぐに解約しました。

理由はシンプルで、エンジニアとしてエージェント経由や紹介で案件に入る働き方では、屋号を出す場面がほとんどなかったからです。請求も入金も個人名義で問題なく進みました。

屋号付き口座が向いているのは、屋号で店舗や事業を営んでいて、屋号名での取引が日常的にある方です。一人で受託・常駐を中心にやるフリーランスエンジニアであれば、まず必要ありません。

開設には個人事業主・屋号の確認書類が必要で、手間も時間もかかります。「なんとなく信頼されそうだから」という理由だけで作ると、僕のように使わないまま解約することになります。

事業用口座を選ぶときにチェックすべき3つのこと

僕の実体験を踏まえると、フリーランスエンジニアが口座を選ぶ基準はこの3つに絞られます。

口座選びの3基準
  • 会計ソフトと連携できるか:これが最優先。集計の手間が丸ごと変わります
  • 振込手数料が安いか・無料回数があるか:毎月かかるので効いてきます
  • ネットバンキングで完結するか:窓口やATMに行く時間をなくせます

逆に、屋号付き口座の有無やビジネス口座かどうかは、優先度が低いというのが6年使った実感です。

候補になるネット銀行3行の比較

事業用口座の候補になりやすいネット銀行を、3行比較しておきます。

※ この3行はいずれも僕自身が口座を持っています。
ドコモSMTBネット銀行(旧・住信SBIネット銀行)と楽天銀行は個人用として使っていて、そのうち事業用に選んだのがPayPay銀行だった、というだけです。他2行が事業用に向かないという意味ではありません。
各種条件は変更される場合があるため、開設前に必ず公式サイトでご確認ください。

PayPay銀行(僕が事業用に使っていた口座)

  • ATM利用手数料は毎月1回目が無料。利用金額3万円以上なら何度でも無料
  • 審査不要でVisaデビット機能付きキャッシュカードを発行できる
  • 屋号付き口座の開設も可能(※ただし上記の通り、必須ではありません)

ドコモSMTBネット銀行(旧・住信SBIネット銀行/個人用として使用中)

2026年8月3日に行名が変わりました
住信SBIネット銀行は、2026年8月3日に「株式会社ドコモSMTBネット銀行」へ商号変更されました。個人向けのサービスブランドは「ドコモの銀行」です。

口座番号・支店番号・金融機関コードに変更はなく、キャッシュカードもそのまま使えます。ただし事業用口座として使っている場合は、次の点に注意してください。

  • 取引先に伝える振込先の銀行名を「ドコモSMTBネット銀行」に更新する必要があります
  • 旧行名での振込受付は2026年10月30日まで(それ以前でも、振込元の金融機関によっては訂正を求められる場合があります)
  • 口座振替による自動引落は手続き不要で、従来通り引き落とされます
  • スマプロランクに応じて、ATM利用手数料・他行宛振込手数料がそれぞれ一定回数まで無料(最大月20回)
  • 「アプリでATM」を使えば、無料回数を消費せずATMの入出金が可能
  • 目的別口座を作成可能(税金の積立などを分けて管理しやすい)
  • 定額自動振込サービスが利用可能

目的別口座は、事業用として使うなら特に相性が良い機能です。「税金の支払い用」「社会保険料用」といった形で、使ってはいけないお金を物理的に分けておけます。

なお、これまでのスマプロポイントはdポイントへ切り替わります(dアカウント連携は2026年8月20日開始予定)。旧ポイントに戻すことはできないため、ポイントの使い道が変わる点は押さえておきましょう。

楽天銀行(個人用として使用中)

  • ハッピープログラムの会員ステージに応じてATM・振込手数料が一定回数無料
  • 楽天ポイントが貯まる・使える
  • 屋号付き口座の開設が可能

楽天経済圏をすでに使っている方なら、ポイントの集約先として選ぶ価値があります。

税金の積立用にお金を分けておきたい方は、目的別口座が使えるドコモSMTBネット銀行が便利です。独立前後のお金の準備全体については、フリーランス独立前にやることリストにまとめています。

【6年の実体験】フリーランス独立前にやることリスト

よくある質問

Q. 事業用口座は個人名義の普通口座でもいいですか?

問題ありません。僕自身、6年間フリーランスとして活動しましたが、事業用に使っていたのは個人名義の普通口座です。大切なのは「名義」ではなく「事業用として分けていること」です。

Q. 屋号付き口座は作ったほうがいいですか?

屋号で取引する場面が実際にあるなら有効ですが、一人で受託・常駐中心のエンジニアであれば優先度は低いです。僕は開設しましたが使う機会がなく、解約しました。

まとめ|分けるのは必須、屋号付きは任意

  • 事業用とプライベート用の口座は分けたほうがいい(確定申告と管理がラクになる)
  • 会計ソフトと連携できるかを最優先で選ぶ
  • 屋号付き口座は必須ではない。僕は開設したが使わず解約した
  • 6年使ったPayPay銀行の普通口座で、特に不便はなかった

事業用口座の準備は、独立にあたって最初にやっておきたいことのひとつです。難しく考えず、まずは「事業専用の口座を1つ用意して、会計ソフトに連携する」ところから始めてみてください。

僕が実際に使っていたマネーフォワードの使い勝手は、こちらで詳しくレビューしています。

【簿記3級を取って選んだ】マネーフォワードをエンジニアが3年使った正直レビュー